海外大学院は、年齢に関係なく、さまざまなバックグラウンドを持った学生を受け入れています。しかし、大学院は学部課程の教育を基盤としてより高度な学術・応用理論の教育や研究を行なう場所ですので、その専門的な内容についていき、成果を出せるだけの力を入学当初から身につけておく必要があります。
大学院留学の準備には、大きく分けてコースに出願するための準備と、英語準備があります。
出願のための準備
ご自身の大学院留学の目的が果たせる学校/コースはどこか、情報を集めて絞込みます。出願先が決まったら、出願書類の作成。出願書類は合否に直接的な影響を与えますので、時間をかけ、慎重に作成する必要があります。
英語準備
まずは、入学条件である英語テストのスコアをクリアすることを目指しましょう。IELTS 0.5 / TOEFL iBT 10 上げるためには、フルで勉強して3ヶ月必要といわれていますので、早めの対策が必要です。スコアをクリアしたら、実際の授業で求められるアカデミック英語の勉強に取り掛かりましょう。
大学院留学のルート
試験対策からコースに必要なアカデミック・スキルを自力で身につける
→ 安価だがWritingやSpeakingのパフォーマンスが測れない
大学院に付属する英語コースで8~12週間学び、本コースに移る
→ 留学生の多くがこのパターンだが、100%本コースへ移れる保証はない
大学院に付属する教育機関で一定期間学んでから進学する。
→ 留学先の環境に慣れることができるが、時間と費用を要する
日本国内で仕事や学業を続けながら相当の準備をする。
→ 時間と費用を最も効率よく使うことができ、リスクを軽減できる
修士号取得に要する年数は一般的に2年。アメリカの場合、学部時代に履修した分野とは異なる分野へ進学することもでき、基礎的なことも含め広く学んでいきます。その一方、イギリスの科目履修主体の修士プログラムの場合、多くが1年で修了することができます。入学条件として、関連分野を履修していることが求められる学校/コースもあるため、大学院ごとに確認する必要があります。
アメリカ大学院留学 費用と期間
アメリカ大学院の授業料は、州立か私立かで大きく異なることはよく知られていますが、州立でも、カリフォルニア州立大学のように立地条件の良い場所にある大学院は、私立並みの授業料になります。また、アメリカの大学院は単位制のため2年で修了できると断言することはできません。卒業が伸びた分、現地滞在費が余分にかかることになるため、授業にきちんとついていくことができるよう、留学前の英語準備をしっかりしておくことが必要です。
イギリス大学院留学 費用と期間
イギリスの大学院は1校を除いて国立のため、アメリカほどには学校間で費用の大きな開きはありません。イギリス大学院は1年で修了することができるため、2年が一般的なアメリカよりも留学先での費用は安く抑えることができます。ただし、1年という短い期間で留学成果を出すためには、留学前の英語準備が大変重要になりますので、留学費用を考える際にはこのことも加味する必要があります。
オーストラリア大学院留学 費用と期間
オーストラリアの大学院は2校を除いて国立のため、アメリカほどには学校間で費用の大きな開きはありません。オーストラリアの大学院は1.5~2年間です。指定されている科目で学士号を取得している場合には1.5年間となり、アメリカでの2年間と比べると、留学費用を抑えることができます。
(参考) 世界の大学ランキングで
上位にランクインしている大学の大学院留学費用
期間 | 現地通貨 | 日本円 | |
アメリカ | 2年 | $113,360 | ¥12,469,600($1=¥110 換算) |
イギリス | 1年 | £26,405 | ¥3,696,700(£1=¥140 換算) |
オーストラリア | 1.5年 | A$72,268 | ¥5,781,440(A$1=¥80 換算) |
海外大学院で取得できる資格/学位には下記があります。
種類 | 期間* | 補足 | |
資格 | Postgraduate/Graduate Certificate | 6ヶ月 | 学位取得を伴わない大学院レベルの修業証書。多くの場合、プログラムは修士号と同じ内容になっているが、論文の提出は必須ではない。修士課程に直接入学するための資格を備えていない学生が、進学準備のために履修することが多い。 |
Postgraduate/Graduate Diploma | 9~10ヶ月 | ||
学位 | 修士号 Master’s degree | 1~2年 | 講義主体の修士号Taught Master’s Degrees: MA、MSc、MBA、LLMなど 講義やセミナーを受講し、レポートの提出や試験などで規定のモジュールをとる。さらに独自の研究をもとに15,000ワード以上の学位論文を提出する。 |
研究修士号 Research Master’s Degrees: MPhil、MRes、MA/MS by researchなど 指導教官のアドバイスを受けながら研究を専門に行なう。修了時には30,000ワード以上の研究論文を提出する。 | |||
博士号 Doctorate | 3~7年 | PhD、Ed.D、DBAなど 長期間にわたって研究活動を行い、その結果を70,000ワード以上の研究論文にまとめる。論文の質も、原則として出版可能なレベルが求められる。 |