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中世スペイン歴史書を電子化――パンブーム関連も? バーミンガム大

日本はここ数年、空前のパンブームに沸き、パン屋が増えるとともに、パンの種類も多様化しています。日本語の「パン」の語源はポルトガル語の「pao」といわれますが、スペイン語でも「pan」といいます。このように、ヨーロッパの諸言語でよく単語が似ているのは、もともと同じラテン語から派生しているからです。ラテン語はローマからヨーロッパ各地に広まり、「俗ラテン語」とも呼ばれるラテン語の簡易バージョンとして日常的に使われていました。学者などが本を書くときも、ラテン語を使うことが一般的だったそうです。

そんななか、1270年ごろ、革新的な書物が登場しました。カスティーリャ王国の国王、アルフォンソ10世が執筆を命じ、編集にも深く関わったといわれる歴史書「Estoria de Espanna」(スペインの歴史)。この本は初めて現代スペイン語の前身であるカスティーリャ語で書かれた同国の歴史書で、これを皮切りにカスティーリャ語の使用が普及し、スペインの言語がラテン語から現代スペイン語に変わる発端になったということです。いってみれば、日本語のパンという言葉があることも、Estoria de Espannaのおかげかもしれません。

イギリスのバーミンガム大学はより多くの人にEstoria de Espannaを知ってもらうために今、同書のデジタル化に取り組んでいます。手書き文書の電子化は、膨大な文字量だけではなく、文字の形も古い中世のカスティーリャ語で書かれているので、とても大変な作業だそうです。そこでバーミンガム大学が呼びかけているのは、一般市民の協力。中世の文化に興味があったり、スペイン語が堪能だったりする方々を募集し、オンライン研修によって電子化作業のいろはを伝えます。学者と一般市民が力を合わせて、貴重な史料であるEstoria de Espannaを守り、インターネット経由でどこでも読めるようにしようとしています。

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【この記事は、2019年秋に公開したフェイスブック投稿を再構成したものです。】

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