ロンドン、マンチェスター、リバプール……。イギリスには雰囲気の異なる街がたくさんあります。郊外でリラックスしながら勉学に励むイギリス留学生活も良いけれども、せっかくならオフの時間も楽しめる都市部へ留学したい方は多いのでは?
とはいえ、都市部は必然的に滞在費や生活費が高くなる傾向が。「できるだけ安く留学したい、でも都会で留学生活を送りたい」、そんな方におすすめなのは学費が安めの大学へ進学し、トータルコストを抑えることです。
この記事では、ロンドン、コベントリー、リバプール、レスターにある、学費が手頃な大学をご紹介します。安いからといって、決して教育や研究の質が悪いわけではなく、むしろ将来のキャリアに直接つながる知識やスキルを身に着けられるので、就職を見据えた留学がしたい方も要注目です。
University of Greenwich(グリニッジ大学)
旧王立海軍学校の建物を使用しているグリニッジ大学
ロンドン中心部から電車で約10分、世界遺産に登録されているグリニッジにメインキャンパスを構えるグリニッジ大学。1890年にポリテクニック(高等職業専門学校)として設立され、1992年に大学として認可された経緯から、学生が卒業後のキャリアに結び付く知識とスキルを習得できるような、実践的な教育を行っています。
講師陣の多くは、教育者や研究者としての実績はもちろん、一般企業での勤務経験もあり、業界に直結した専門教育を実践。教えることへの情熱が教育の質の高さにつながっており、2017年度のTeaching Excellence Framework(イギリスの高等教育機関の教育評価制度)ではSilver rating(銀賞)を受賞しました。
総合大学としての歴史は短いながらもコースはひと通りそろっており、ビジネスや経済、国際関係学、マーケティング、社会学など、人気の分野が学べます。また、テクノロジーを駆使した授業を多数行っていて、ゲームデザインや開発、VRに関する学位を取得できるコースも。他にも、イベントマネジメントやホスピタリティなど、将来のキャリアにつながるコースを提供しています。
学費は、学士課程で年間約15,000ポンド(約248万円)、修士課程で約15,000~16,000ポンド(約248~264万円)。MBAや工学部の一部コースは約18,500ポンド(約305万円)です。ロンドン中心部にある他大学の学費は20,000ポンド(約330万円)を超える場合もあるので、グリニッジ大学は「ロンドンに留学したいけれども、留学費用はなるべくおさえたい」という方におすすめです。
*1ポンド=165円で換算(2022年9月時点でのレート)
Coventry University(コベントリー大学)
イングランド中部の新しい大学ランキング第1位のコベントリー大学
1843年にコベントリー・カレッジ・デザインとして設立され、ポリテクニック(高等職業専門学校)を経て、現在のコベントリー大学となりました。
キャンパスはイングランドの中部に位置し、ロンドンへは電車で約1時間、日本との往復に便利なバーミンガム国際空港にも電車で約15分ほどの距離にあります。近くにはウォーリック城やシェークスピアの故郷であるストラトフォード・アポン・エイボンなどのイギリスらしさを感じられるスポットも多く存在します。
同大学では卒業後に即戦力となれるように実践的かつ専門的なスキル取得に向けた教育に力を入れ、イギリス国内外で重要な教育機関として注目を集めています。コースはデザインカレッジとして設立した背景から、今でもアートやデザイン、音楽、ダンス、演劇などのコースが高く評価されています。一方で、2022年度のThe Guardian University Guideでイギリス国内2位にランクインしたツーリズム、ホスピタリティのコースも有名です。
学費は、ほとんどのコースで年間約16,800〜19,850ポンド(約277~328万円)。 コベントリー近辺にある大学では平均20,000〜30,000ポンドかかる分野やコースもありますので、大変リーズナブルな学費となっています。都心ロンドンへのアクセスの良い、落ち着いた街で勉強したい方におすすめです。
なお、コベントリーは学生にぴったりなイギリスの都市トップ5(2022年度QS Best Student Cities Index)にランクインする街。飲食店などはもちろん、国内最大級のウォーターパークなど、学生が休日に楽しめるスポットも充実しています。
*1ポンド=165円で換算(2022年9月時点でのレート)
Liverpool John Moores University(リバプール・ジョン・ムーア大学)
近代的な校舎が目を引くリバプール・ジョン・ムーア大学
イングランド北西部の大都市リバプールにキャンパスを置くリバプール・ジョン・ムーア大学。3つのキャンパスはいずれも街の中心部にあり、リバプール博物館やウォーカー・アート・ギャラリーなどの観光スポット、セントラル図書館へもアクセス良好です。
1825年にMechanics’ Institute(職工講習所)として設立され、ポリテクニック(高等職業専門学校)だった期間を経て1992年に大学として認可を受けた経緯から、理系や工学系の分野で定評があります。特に工学部のレベルは高く、2021年度のResearch Excellence Frameworkでは、この学部で行われている研究の92%が ”world leading”(世界を牽引している)あるいは “internationally-excellent”(国際的に優れている)と評価されました。他にも、スポーツ科学や人類学、物理学、農学などのコースが有名です。
学費は、学士課程、修士課程ともに年間約17,000~17,500ポンド(約281~289万円)。リバプールにある他大学の学費が約20,000~25,000ポンド(約330~413万円)であることを考慮すると、学費を抑えたい方にはリバプール・ジョン・ムーア大学がおすすめです。
なお、リバプールは世界的ロックグループ「ビートルズ」結成の地としても有名。プロサッカーチーム「リバプールFC」の本拠地でもあるため、サッカーファンにとっても魅力的な街です。
*1ポンド=165円で換算(2022年9月時点でのレート)
De Montfort University(デ・モントフォート大学)
ユニークな外観の校舎が立ち並ぶデ・モントフォート大学
イングランド中部の都市レスターにキャンパスを構えるデ・モントフォート大学。市の中心部に位置しており、街のシンボルであるレスター大聖堂や市庁舎、時計台が徒歩圏内です。1992年にポリテクニック(高等職業専門学校)から大学になり、名前もレスター・ポリテクニックからデ・モントフォート大学へと変わりました。
1870年に美術学校として設立された経緯があることから、今もアートやデザイン分野に強く、ファッションデザインやマネジメント、インテリアデザイン、建築など、さまざまなコースを提供しています。また、多くのコースでは、1年間にわたるワークプレイスメント(有償型就業体験)に参加できる制度も。条件を満たしている留学生も参加でき、場合によってはビザの延長も認められるので、現地で就業経験を積みたい方は要チェックです。
学費は、学士課程で年間約13,000~15,000ポンド(約215~248万円)、修士課程で約13,000~17,500ポンド(約215~289万円)。MBAコースは約21,000ポンド(約347万円)です。レスターにある他大学の場合、一年の学費が20,000ポンド(約330万円)を超えるコースもあるので、学費を抑えたい方にはデ・モントフォート大学がおすすめです。
レスターは、イギリスでもっとも活気のある都市第4位(2022年度Top Cities Vibrancy Report)に選ばれた街。飲食店が数多くあり、ショッピングやナイトライフを楽しめます。また、NatWest社がまとめた最新のStudent Living Index(学生生活指数)において、学生が安く暮らせる街トップ10にランクイン。学費だけでなく、生活費も抑えながら留学生活を満喫できます。
*1ポンド=165円で換算(2022年9月時点でのレート)