ハリー・ポッターのロケにも使われた学問の都、オックスフォード

歴史

オックスフォードという地名の由来は、かつて牛の渡し場があったことからです。「雄牛（ox）が渡れる浅瀬（ford）」ということでOxfordと呼ばれるようになりました。その歴史は古く、8世紀にサクソン族の皇女フリーデスウィーデが修道院を建てたことが町の始まりとされています。 11世紀のノルマン征服のときには、英国内でも最大級の町に発展しました。最先端の知を求める学僧たちが集まり、大学街が形成されていきました。一時、市民と学生の関係が悪化するなど不幸な時代もありましたが、今では世界有数の学園都市に成長しています。

面積と人口

オックスフォード市の面積は45.59平方キロメートルです。世界的にも有名であることから大きな町と思われがちですが、東京の練馬区や江戸川区の面積とほとんど同じくらいです。総人口約14万人のうち、学生が25,000人以上を占めているのが学園都市ならではといえるでしょう。そのため、学生の活気で賑わいながらも、治安の良さでも知られている、住みやすい環境となっています。

気候

穏やかな気候も住みやすさに貢献しています。ただし、イギリス全体にいえることですが、オックスフォードは降水量が多くなっています。年間降水量は600mm以上、乾燥している時期でも雨がよく降ります。年間平均気温は約10℃、年間平均最高気温は約14℃、年間平均最低気温は約6℃と、年間を通じて涼しいといえるでしょう。なお、オックスフォードは北緯約52度、これは北海道の北にある樺太の位置にあたり、冬には雪が降ります。

交通

市内では「Oxford Bus Company」や「Stagecoach」による路線バス網が発達しており、中心地の「City Centre」からどこへ行くにも便利です。また、市内探訪におすすめなのがレンタサイクルです。町中に見所が点在していますので、自転車を借りて見て回るといいでしょう。

物価

オックスフォードの物価は総じて安く、家賃もリーズナブルです。例えば、一軒家を共同で借りるシェアハウスだと300ポンド程度、マンションなどの一室を共同で借りるシェアフラットでは平均500ポンドで住むことができます。また、学生街であるオックスフォードは、多くのお店で学生割引があります。本屋や文房具店といった学生に必須のお店はもちろん、洋服やレストラン、バスなどにも学割があり、学生にとって経済的な町となっています。

店舗・商業施設

多くの学術書がそろう本屋や骨董品店など、歴史を感じさせるお店が多い一方、若者が多いのでトレンドを意識したショップやレストランも多くあります。また、バレエやオペラ、ミュージカルなどのショー、ジャズをはじめとするライブも定期的に開催されており、エンターテインメントを楽しむこともできます。

代表的な観光地

■ クライストチャーチメドウ

クライストチャーチ前に広がる芝生エリアで、並木の下を歩いて散歩することができるグリーンスポットです。近くを流れるテムズ川では、ボートを借りることもできます。「バンド」と呼ばれる、小さな平底の舟に乗る若者を見ることができるでしょう。

■ 聖マリア教会

美しい尖塔が目印の聖マリア教会は、中世の大学設立のころには中心となっていたと考えられています。教会内は白い壁と美しいステンドガラスに囲まれた、広い空間の荘厳な雰囲気が特徴です。127段の階段を上るとオックスフォードの街並みが一望できることから、観光客の人気を集めています。

■ シェルドニアン劇場

有名なボドリアン図書館の隣に位置する劇場で、特にルーベンスの見事な天井画で知られています。オックスフォード大学の入学式と卒業式もここで行われ、夜にはクラシックコンサートが開催されるなど文化的な雰囲気に満ちています。

■ カバード・マーケット

大きな屋根付きの市場は、食べ物や雑貨、お土産、衣類などが何でもそろう、学生御用達のスポットです。市場だけに、食べ物の種類は充実しています。八百屋や鮮魚、精肉、チーズ、サンドイッチなどの専門店がひしめき、歩いているだけで一日が過ごせてしまいます。