第1回
マッコーリー大学附属英語学校(ELC)での経験
空閑 洋始 さん
大学院留学 オーストラリア 社会人
留学先 | マッコーリー大学 Macquarie University |
---|---|
コース | Master of Advanced Translation and Interpreting |
期間 | 2015年2月~2016年12月 |
大学院進学に向けて、10週間の準備コースからスタート!
マッコリー大学キャンパスの様子
私が入学したのは、マッコーリー大学附属の英語学校ELC(English Language Centre)の大学院(通訳・翻訳修士)進学コースです。授業は10週間で、不定期に行われる10数回の試験の平均点が合格(50%以上)であれば、そのまま大学院に進学できます。
私が日本で受けたIELTSの成績は6.5でした。志望であるマッコーリー大学大学院の「翻訳・通訳MA(修士)」に入学するためには7.0が必要であったため、この10週間の英語コースを大学からオファーされました。英語学校をパスできれば、あらためてIELTSを受けて7.0を取る必要はありません。また、6.5の場合は10週間なのですが、もっと点数が低い場合は、それよりも長いコースが用意されています。私のクラスは10人でしたが、半分は既に前からこの英語学校に通っている人でした。もう、1年通っているという人もいました。
クラスメイトは11人。アジア各国から留学生が集まります。
クラスは大学院の志望コース別に複数あります。私が入ったのは「通訳・翻訳MA」志望者と「教育学MA」志望者の混合クラス。この混合クラスが2クラスありました。各クラス11人で計22人。各クラス11人のうち約半分が「通訳・翻訳」志望で残り約半分が「教育学」志望という構成。22人のうち、私を含めた2人が日本人、1人が韓国人、1人が台湾人、1人がインド(っぽい人)、残りのたくさんは中国人です。男は私1人。しかも超おっさん。私以外はみな20代の女性です。上に書きましたように、私のクラス11人のうち、5人が既に前からこの英語学校に通っている「継続組」でした。
授業は朝8時30分から途中15分の休憩をはさみ12時45分まで。月曜から金曜の週5日間です。11月中旬に始まったコースのため、5週間の授業の後、2週間のクリスマス休暇がありました。この「大学院進学10週間コース」は年に2回、大学院の入学時期に合わせて開講しています。5月に始まるコースは途中に休暇が無いので、10週間ぶっ続けだそうです。
最も重要視されるのは、Writingのスキル!
授業は、Reading, Writing, Listening, Speakingのうち、Writingに特に重きを置いている感じです。10週間のうち、テスト(自宅で書く英作文含む)が12回ほどあり、最終的な合計点が50%を超えれば合格となります。数回不合格点を取っても挽回することが可能です。ただ、各回のテストは全体に占める重要性がそれぞれ異なり、また、Writingの比率が高くなっており、Writingで不合格点を取ると他のSpeakingなどで挽回するのは難しいようになっています。
下のレベルのクラスから上がってきたクラスメイトは皆「この10週間のコースは非常に難しい」と言っていました。大学院に進学できるとあって、それまでと比べるとかなりレベルが上がるようです。一方、私と同様、IELTS6.5で新規に入学してきたクラスメイトは、皆ListeningとSpeakingの能力が高いのに驚きました。やっぱり国の英語教育の違いでしょうか。私はListening, Speakingは苦手で、どちらかというと文法は得意なもので、Writing重視という点で助かったような気がします。Listeningの試験では一度不合格点を取ってしまいました。
10週間のコースで「自主学習」の大切さを感じました。
結局何が大変かというと、「自分で勉強しないといけない」ということかもしれません。これは先生もそう言っていました。毎日4時間の授業があって、宿題もけっこう出るのですが、それをやっているだけでは(もちろんそれなりに力は付くものの)「英語力がすごく伸びた」ということにはならないようですし、試験で合格点を取るのも難しいのではないかと思います。私の場合は、とにかく知らない単語を覚えることに力を注ぎました。単語が分からないと、そこから先に進めないので。
最終的には、学校が力を入れているということもありWritingの力はだいぶついたように思うのですが、Listeningはあまり伸びていないような気がしています。いまだに会話が苦手です。Readingはもうとにかくたくさん読むしかないのかもしれません(テストは、どんな文章が出るか、だいぶ運に左右される気がします)。Speakingの試験はみんなの前でのプレゼンが2回。私は決してSpeakingが得意な訳ではないのですが、日本語の場合とはいえこれまでの仕事で人前で話すことには慣れていますし、まあ、いろんな経験があるので、いろいろ工夫をして(ごまかして)高い点数を取ることができました。
無事に大学院に進学決定することができました。
英語学校もビジネスですから、「落とす」ことよりも「何とか大学院に進学させる」ようにがんばっているようです。ただ、試験の結果が悪いとどうしようもないということもあり、私のクラス11人のうち、残念ながら2人は進学をあきらめたようです。卒業式の前日まで合格か不合格か分からないということもあり、他にも(まあ、私も)とても不安がっているクラスメイトもいたのですが、残る9人は無事に進学できました。
英語学校の卒業式の翌週には大学院のオリエンテーション。そしてすぐに、大学院での勉強が始まります。
世界中の人たちと友達になれる。それが留学の醍醐味です!
英語の勉強は大変でしたが、やはりいろいろな国の人と親しくなれるのはとても楽しいことです(中国人が多いですけれども)。クラスメイトとの会話も、常に敬語を意識しないといけない日本語とは違い、英語での会話ということもあって、あまり年齢の差を感じることなくコミュニケーションすることができました。大学院に進学しても、英語学校で学んだ仲間はまた特別な仲間という気持ちが続きそうな気もしています。もちろん、新しい出会いもこれからたくさんあると思いますが。