
こんにちは!サセックス大学の日本担当官を務めている大葉です。今回の留学体験記では、私の留学体験について皆さんと共有したいと思います!
留学は、生活環境が大きく変わる経験です。そのため、日本ではなかなかできないことに挑戦したり、新しいことを始めたりするのに絶好のタイミングです!
私自身も、サセックス大学に留学している間にイギリスならではの楽しみを満喫し、新しい趣味を始めました。
今回は、その中でも特に夢中になった「観劇」についてご紹介します。これからイギリス留学を考えている方にとって、私の体験が少しでも参考になれば嬉しいです!
観劇をし始めたきっかけ
さて、「イギリス留学なのになぜ観劇?サッカー観戦とかじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。そこで、私が観劇にハマったきっかけをお話しします。
私は幼少期をイギリスで過ごしており、学校の遠足などで何度かイギリスの演劇を観る機会がありました。そのとき、演劇のクオリティの高さにすっかり魅了されたのです。
迫真の演技、大道具を駆使した圧倒的な演出、そしてイギリスらしいユーモアの効いた表現!演劇ならではの表現力や、舞台が生み出す特別な雰囲気に心を奪われ、「いつかまたイギリスで演劇を観たい!」と思うようになりました。

サセックス大学は、アートの街として有名なブライトンの近くにあるだけでなく、ロンドンへも気軽に行ける距離に位置していて、イギリスのアート文化を存分に楽しめる環境が整っています。私自身、アーティスティックな雰囲気の漂うブライトンに魅了されたことも、サセックス大学を留学先に選んだ理由の一つです。
その結果、ロンドンの劇場に通いつめたり、イギリス旅行の際に各地の劇場を訪れたりして、合計で10公演以上観劇しました。
前述の通り、イギリスの演劇はクオリティが高いうえに歴史ある劇場も数多く存在し、まさに「イギリスならではの楽しみ」の一つと言えます!
ということで、今回は「イギリス観劇のすゝめ」についてお話しします!
観劇をするにあたっての不安点
まず、イギリスで観劇すると聞いて、多くの人が最も不安に思うのは「英語が理解できるのか?」という点ではないでしょうか。
映画には字幕がありますが、演劇には当然ながら字幕がありません。そのため、セリフを聞き逃すと、ストーリーの流れについていくのが難しくなることもあります。

しかし、シェイクスピア演劇にどっぷりハマっていた私からすると、意外となんとかなります。シェイクスピアの作品では約400年前の英語が使われているため、当然ながら完璧には理解できません。それでも、ストーリーの流れさえ把握していれば、なんとなく理解できるものです。
実際、興味を惹かれて当日観劇を決めたシェイクスピア作品がありましたが、あらすじを頭に入れておくだけで十分楽しめました。(あまりにもマイナーで、日本語版ウィキペディアにはほとんど情報がありませんでしたが……)
演劇が生み出す空気感は、言葉以上に雄弁です。意外となんとかなるものなので、興味のある方はぜひ挑戦してみてください!
観劇におすすめの劇場

さて、ここからは「イギリスで演劇を観てみたい!」と思っていただけた方に向けて、挑戦しやすい劇場をご紹介します!
まずは、ロンドンの文化の中心とも言われるウェストエンドです。いわば「ロンドン版ブロードウェイ」とも言えるエリアで、歴史ある劇場や歌劇場が立ち並び、毎日さまざまな公演が行われています。
特にミュージカルが有名で、『レ・ミゼラブル』『マンマ・ミーア』『ライオン・キング』『ウィキッド』など、映画化された作品も上演されています。映画を観たことがある方にとっては、ストーリーを知っているぶん敷居が低く、楽しみやすいでしょう。
やはり映画と舞台とでは迫力が段違い!ミュージカル好きの方や、演劇初心者の方にはぜひ体験していただきたいです。
ウェストエンドの劇場は歴史が古く高級な席も多いため、チケット代はやや高めです。しかし売れ残りのセールチケットを狙えば、十分良い席が1万円程度 で手に入ることもあります。ロンドンの文化の中心で、長年愛され続ける演劇をぜひ楽しんでみてください!

次に、私のお気に入りの劇場をご紹介します。
それがShakespeare’s Globe(シェイクスピア・グローブ)という円形劇場です。
この劇場はシェイクスピア時代の劇場を忠実に再現していて、季節ごとにさまざまなシェイクスピア作品を上演しています。主に夏の期間は屋外の円形劇場で公演が行われ、冬の間は室内劇場での上演となります。
この劇場の魅力は、古き良きイギリス演劇の伝統を大切にしながら、最先端の演劇表現を追求している点です!
シェイクスピアの時代、演劇は今よりも演者と観客の距離が近いものだったと言われています。その雰囲気を再現するため、舞台の周囲には立ち見席があり、演者たちはそこを自由に動き回ります。観客の間をかき分けて登場したり、舞台から降りて真横で演じたりと、観客と演者の垣根を超えた一体感のある演出が特徴です。まるで観客自身が物語の一部になったかのような感覚を味わえます。
また、伝統を重んじつつも、新しいアート表現を積極的に取り入れているのも魅力のひとつです。
シェイクスピア作品と聞くと古典的で堅苦しいイメージを持つかもしれませんが、この劇場では現代的なダンスを取り入れたり、グロテスクなシーンを独自の演出で表現したりと、従来の枠にとらわれない革新的な舞台づくりが行われています。たとえば、腕を切るシーンでは、本物の流血を再現するのではなく、蝋燭のロウで手を固めて欠損を表現するといった工夫もされています。
このように、伝統と革新を融合させることで、イギリスでもここでしか体験できない最先端の演劇を楽しむことができます。
さらに、チケット代が驚くほどリーズナブル なのも嬉しいポイント。特に、演者との距離が最も近く、臨場感を味わえる 立ち見席は2,000~3,000円程度で購入できます!演劇の魅力を存分に体験できるのでとてもおすすめです。
イギリス観劇のすゝめ
皆さんは、日本で演劇を観たことがありますか? おそらく、多くの方にとって観劇はあまり馴染みがないかもしれません。
私自身、日本でも何度か演劇を観に行ったことがありますが、日本での観劇の敷居が高い理由の一つは、そもそも知る機会が少ない ことにあると思います。
例えば、映画や美術館の展示であれば、駅やSNSなどで広告を目にすることが多く、「週末、時間があるし行ってみようかな」と気軽に足を運ぶことができます。しかし、演劇の広告はあまり見かけることがなく、観劇の機会が自然と少なくなってしまいます。

一方、さすがは演劇大国・イギリス!どこへ行っても演劇の広告が目に入り、観劇に触れる機会が圧倒的に多いです。駅のポスターやSNSの宣伝で情報が手に入りやすく、さらに学割や売れ残りチケットのセールなど、観劇を楽しみやすい工夫がたくさんあります。そのため、日本よりも演劇の敷居が低く、イギリスでの観劇デビューは「留学中だからこそできる特別な体験!」の一つだと思います。
イギリスの舞台はレベルが高く、素晴らしい作品が揃っています。もし気になる演劇や劇場を見つけたら、ぜひ一度トライしてみてください!
そして、もし「これは面白かった!」という演劇に出会ったら、ぜひ私にも教えてくださいね!
イギリス劇場こぼれ話

イギリスには多くの劇場があり、そのほとんどが歴史的な建造物です。そのため劇場に足を踏み入れるだけで、歴史ある空間の雰囲気に感動することでしょう。
さらに、多くの劇場にはバーが併設されています。バーではお酒やスナックが提供され、おしゃれな雰囲気の中で開演を待つことができます。劇場ならではの特別な時間を楽しむのも、観劇の醍醐味のひとつです。


こちらはシェイクスピア・グローブのバーですが、シェイクスピア作品をモチーフにしたカクテルを楽しむことができます。劇場のバーごとに個性があり、それぞれ趣向を凝らしたメニューが揃っているので、ぜひ試してみてください!
私、サセックス大学日本担当官はサセックス大学日本事務所のインスタグラムやX(旧twitter)でもサセックス大学やイギリス情報を発信しております。
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