2019年9月20日にいよいよ開幕する、日本初開催のラグビーワールドカップ。札幌市から大分県まで全国各地の12会場で試合が行われ、これを機に日本でもラグビーのファンが増える期待が高まっています。
昔からラグビーの人気が高い国といえば、ラグビーの発祥地であるイギリスの影響を受けているオーストラリア。同国のラグビー代表は愛称で小型カンガルー、ワラビーにちなんで「ワラビーズ」と呼ばれ、多くの国民に親しまれています。
実際のラグビー試合となると、もちろんかわいいワラビーではなく、体の大きい人間のプレーヤーたちが立ち向かうので、試合中にケガをするリスクも低くないでしょう。選手たちがぶつかり合うと、とくに被害を受けやすいのが脳です。
シドニーの近辺にあるマッコーリー大学(写真は同大学の図書館)はスポーツ選手を脳の被害から守るために、市販のゲーム用VR(仮想現実)ゴーグルの活用に着目しました。現在、同大学のラグビーチームなどを対象に行っている実証実験では、選手にゴーグルを着用させ、白や黒の光といった映像を見せています。そして、ゴーグルにセンサーを付け、脳波を測定します。
健康な脳だと、すぐに光の刺激に反応するのですが、脳震盪の場合はリアクションが遅くなり、瞬時の反応ができなくなってしまいます。つまり、ぶつかり合った選手たちにVRゴーグルを付け、脳の動きを測ることで、脳震盪の疑いがあるかどうかが簡単に分かるというわけです。
この研究はラグビーだけではなく、サッカーなどあらゆるスポーツにも応用し、選手の健康を守るためのものとして注目を集めています。
ユニークな着眼点や応用を重視した研究活動は、マッコーリー大学の強みの一つといえるでしょう。
【この記事は、2019年秋に公開したフェイスブック投稿を再構成したものです。】