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【連載:留学体験談】イギリスで翻訳者として活躍する先輩が語る「留学生活から現地就職まで」②エッセイ課題&修士論文の攻略法

Yoshida Daikiさん

2021年9月からイギリスのリーズ大学修士課程「Professional Language and Intercultural Studies MAに入学。2022年9月に同コース卒業後、6月よりアルバイト勤務していたイギリス現地の法律事務所にて翻訳者として従事。

リーズ大学を卒業されたYoshidaさんが留学生活から就職活動に至るまで、さらにはイギリスの企業で働くことなどについてをお伝えいただく体験談の連載がスタートしました!

今回は、大学院生活において大きな山場となるエッセイ課題と修士論文の攻略法について詳しくお伝えします。

大学院留学をご検討中の方やリーズ大学に興味がある方はぜひお読みください。

現地から留学体験レポートをお届けします!

皆さん、こんにちは。2022年8月末に修士論文を含むすべての課題・試験が終了し、本記事を執筆している(2022年10月)に最終的な成績が発表され、無事に卒業をすることが出来ました。今回は大学院生活においてもっとも苦労するであろうエッセイ課題や修士論文について、どのように対策をすれば良いのか、どうすれば良い成績を取ることが出来るのかを中心に解説します!

取り掛かる前にエッセイプランを立てる!

まず、エッセイの対策方法について説明します。ほとんどの科目の初回授業で、成績の評価方法や課題の内容(テーマ、文字数、提出期限)等の説明があります。その後は、シラバスに沿って授業を受講していきますが、学期末の期間になるとエッセイ課題の詳細に関するアナウンスがあります。エッセイ課題に対する質問がある場合は先生にメールで直接聞くことができるので、疑問点は必ずクリアにしておきましょう。

エッセイでいい成績を取る一番の方法は、きちんとエッセイプランを立ててから実際の執筆に臨むことです。課題を出されたらすぐに、内容(エッセイの問い、分量、構成)をしっかり確認しましょう。私が履修していた多くの科目では、以下のような形式でエッセイ課題を求められる場合が多かったので、良ければ参考にしてみてください。

※エッセイ課題の一例

  • 次の中から一つテーマを選び、4,000文字(±10%)で論じなさい
  • 構成は、おおよそIntroduction (8%)、Main Body (80%)、Conclusion(12%)の割合
  • チャートやグラフといった図を必ず挿入すること

ここで多くの留学生は、エッセイのイントロダクション(序論)から書き始めますが、これでは先生を感心させるエッセイを執筆することは難しいです。そのため、エッセイプランを作成した後に、必ず先生に確認してもらってから、エッセイを書き始めるようにしていました。例として、私の職場におけるジェンダー差別のエッセイプランを添付します。

エッセイプランを提出すると、先生からこのようにフィードバックを貰うことが出来ます。少し手間ですが、この段階を挟むことで、採点者はエッセイのどの部分で評価するのか、ヒントを得ることが出来ます。また、どのようにエッセイ構成を練っていくのか、鍵となる参考文献等も、採点者の立場から判断をしてもらえます。そのため、エッセイプランは、「最短で最高の成績を取るための地図」とでも言うべき、必要不可欠なアイテムです。

修論準備は普段の授業から始まっている!?

大学院生活におけるラスボスが修士論文執筆です。修士論文と聞くと、特別な課題のような印象を持つ方も多いですが、課題の進め方や構成はエッセイ課題と基本的に同じです。ただ通常のエッセイ課題と違う点として、論文のテーマは自分で決めなくてはいけない点が挙げられるので、こちらについて説明します。

まず修士論文は、興味のあるテーマを自分自身で決めなくてはなりません。恐らく多くの学生がこの最初の段階でつまづくかと思います。というのも、問題提起をするには、事前にその問題に関わる情報を把握し、どうしてそれが問題なのかを説明できる必要があるからです。このようなことを言われると小難しく感じますが、要するに先行研究を読んで疑問に思ったことが、自分の修士論文のテーマになるということです。したがって、普段の授業で扱われるリーディング課題を読み進めていく際に、その本の内容を理解するのと同時に「どうして?」という批判的な見方を身につけておくことで、自分がリサーチしたいトピックを早い段階で見つけることが出来ます。

私の修士論文は、日本における外国人に対する差別をテーマにしようと当初考えていましたが、それではあまりにも幅が広いため、テーマをグッと絞る必要がありました。そこで、

  • 差別の形式(ここではステレオタイプや偏見)を限定
  • その中でも日本の英語教育業界のみに限定
  • 白人ではなく非白人のネイティブスピーカーに限定
  • インタビューで情報取集が可能な人数に絞る

という具合で、リサーチ対象となる範囲を絞っていきました。その結果、私の問題提起は、「日本の英語教育業界における、日本人の非白人ネイティブスピーカーに対するステレオタイプはどのようなものがあるのか」という様になりました。ここまで絞り込むことで、先行研究の内容と被らない自分のオリジナルの修士論文を執筆することが出来ます。修士論文のテーマを設定する際は、狭い範囲で深く考えるという姿勢を忘れないようにしてください。

読んでくださった皆さまへ

今回はエッセイ課題と修士論文の攻略法についてお伝えしました。エッセイや修士論文で効率よく良い評価を貰えるように、ぜひ私のアドバイスを役に立てていただけると嬉しいです。また留学生活においては今回お伝えしたようなエッセイ課題や修士論文など学業面はもちろん、生活面でもさまざまなストレスがかかります。次回は留学中のストレスとうまく付き合っていくための方法や利用できる大学のサポートなどについてご案内したいと思います。

リーズ大学について

リーズ大学(University of Leeds)は1904年に設立された大学で、イングランド北部リーズにキャンパスを置きます。QS World University Rankings 2023では、世界TOP100に選出されたイギリス名門大学で、研究部門を強みとするイギリス名門校群「ラッセル・グループ」に所属しています。学生数39,000人以上の大規模校で、137か国から学生が集まる「留学生に人気な大学」としても有名です。分野は翻訳・通訳学に特に権威があり、イギリス国内で数校のみ開講している「日英翻訳」に特化した科目が人気を集め、これまでに多くの日本人留学生を受け入れてきました。