この記事を書いた人
S・Oさん
2022年9月よりイギリスのヨーク大学修士課程「MA Global and International Citizenship Education」コースに留学中。
皆さん、こんにちは。2022年9月からイギリスのヨーク大学に留学しているSです。
この記事では、イギリスでの寮生活について、部屋のタイプごとの比較、寮に住むメリット・デメリットなど、実際に生活を経験している方々を対象に実施したアンケート*1の回答も紹介しながら解説していきます。何よりも大学や管理会社がウェブサイトなどで発信している公式の情報を確認することが大切ですが、こちらの記事も合わせて参考にしてみてください。
部屋のタイプごとの特徴
<部屋のタイプごとの設備一覧>
○:自室にあり、△:寮によってある場合もあり、×:自室・共有部のどちらにもなし
Studio 日本のワンルームのような感じ | En-suite 自室には基本シャワー、トイレのみ | Shared Bathroom 自室には基本ベッドルームのみ | |
---|---|---|---|
ベッドルーム | |||
クローゼット | |||
洗面台 | |||
シャワー&トイレ *寮には基本バスタブはない | 共有 | ||
キッチン | 共有 | 共有 | |
テレビ | △(自室) | △(共有) | × |
洗濯機&乾燥機 | 共有 | 共有 | 共有 |
年間費用(£) | 10,072.50 | 8100.29 | 4934.86 |
※年間費用については、50~51週が一般的な契約期間となり、金額は一例です。
※En-suiteの中にも部屋のレベル(イギリスではよくBandと呼ばれる)があり、自室の設備等が異なる場合があります。
※費用には家賃・水道光熱費・共益費・火災保険料が全て含まれていることが多く、寮費以外の支払いは基本的に無いことがほとんどです(詳細は各大学のウェブサイトを確認してください)。
▲Studioタイプの部屋
▲En-suiteタイプの部屋
▲En-suiteタイプの部屋のトイレ&シャワー
▲共有のキッチン
▲共有のリビング
▲共有の洗濯場
<寮で共同生活を共にする学生>
- 共有スペースを共有する人数は4~20人と寮によって異なりますが、En-suiteの場合は6人前後で1つのキッチンをシェアすることが一般的です(大学のウェブサイトなどには何人で共有することになるのかなど記載あり)
- 基本的にどんな寮でも特筆されていない限りは、年齢、性別、人種は混合で、大学によっては大学院生向けのものや、性別が区切られているものもあるので、気になる方はチェックしてみてください
- 住んでみた感じ中国人、インド人は留学生の母数が多いため、同じ寮に住む確率は高いです
<寮を選ぶ際のアドバイス>
- どんな部屋タイプがあるのか、設備は何が揃っているのかについては、大学や管理会社などによるところが大きいので、必ずウェブサイトを参考に確認しましょう
- 自身の授業が行われる建物と寮の距離や、何人でシェアするのかなどの情報もきちんと押さえておきましょう
- 寮での暮らしぶりなどについては、大学のウェブサイトに加えて留学経験者の動画やブログも参考にしながら情報を得ましょう
寮生活のメリット・デメリット
<メリット>
- キッチンを共有するので、様々な国の料理について知ることができる!
- 異文化交流を通じて、幅広い考え方や価値観を学ぶことができる!
- 共同生活の中での会話を通じて英語が上達する!
- 寮に住む仲間に学問や生活上の相談ができる!
- 光熱費等が高騰している中でも心配せずに使うことができる!
アンケート回答から得た体験談
- Aさん:寮に一緒に住む仲間と誕生日パーティーができて、楽しかった!
- Bさん:留学生同士で自国の料理をシェアしたり学び合ったりできた!
<デメリット>
- 隣室の音が聞こえるなど、プライバシーが完全には守られていないと感じることがある…。
- 共有スペースの使い方やルールを巡って、住人間でトラブルが起こることがある…。
- 冷蔵庫のスペースや共有備品・設備などが不足しがち…。
アンケート回答から得た体験談
- Cさん:隣人が深夜にも関わらず大声で会話をする…。隣人や大学に対応を求めるも変化無く、自身での防音対策を講じている。
- Dさん:衛生観念やゴミの分別への意識について、日本の「当たり前」は通用しないと感じた…。一緒に住む学生の国籍や人数に関わらず、日本と同じレベルを期待するのは難しい。
※トラブルに対しては、早期に第三者に根気強く相談することが大切です。明確な違反行為などでない限りは具体的な対策はとってもらえない場合があるものの、相談を続けることで後に引っ越しの要請をしたときに優先して次の住まいを探してもらえるなど、措置をとってもらえる可能性が高まります。
寮生活において必要なもの・不要なもの
<寮にあるもの・ないもの>
- 電子レンジ、オーブン、冷蔵庫などの基本的な調理家電は揃っています
- 電気ケトルやトースターはあることが多いですが、念のため確認が必要です
- 炊飯器とドライヤーは無いことがほとんどなので、必要であれば購入・持参しましょう
- 鍋やフライパン、食器類などの調理器具は自身で調達する必要があります
<日本から持参するのがおすすめなもの>
家電や日本の調味料など、基本的にはどんなものであっても現地調達が可能ですが、物価や輸入品に対する関税の都合で割高なので、必要に応じて日本から持参しましょう。
- 化粧品、医薬品:身体との相性の問題もあるため、持参するのがおすすめ
- 箸・菜箸:現地でも手に入りますが、セット売りだったり無駄に高かったり…
- 歯ブラシ:イギリスで売られているものはどれもヘッドがかなり大きいので、気になる方は日本のもののほうが安心
- 便座カバー:冬は便座が冷たいのであると◎(ちなみに洗浄機能付き便座などはありません)
<その他持って行って役に立ったもの>
- 電子レンジ用の炊飯器
- イギリスの電圧にも対応している延長コード
- 電子辞書
- 小さい洗濯バサミ・洗濯ハンガー
- 毛玉取り
- 洗濯ネット
- タブレット
- ワイヤレスイヤホン
※電化製品を日本から持参する場合、電圧の規格を確認しましょう(日本は100Vに対し、イギリスは240V)。プラグ(コンセント)の形も異なるため、イギリス型(BFタイプ)に変換できるアダプターが必要です(現地購入も可能)。
読んでくださった皆さまへ
本日はイギリス留学における寮生活についてお伝えしました。寮では、様々な国や地域の人が一緒に生活をするため、それぞれ価値観や規範意識が異なります。その違いを完全に理解し合うことは難しく、時にはトラブルや衝突が生じ、特に留学生間では、お互いが第一言語ではない中で自身の考え方を伝えなくてはならないので、大変だと感じることもあるでしょう。
しかしながら、背景の違いやそれに起因するトラブルを経験することも含めて、留学に来ている意義を感じることができるという見方もできます。今回行ったアンケートの回答では、トラブルや不満点を抱えながらも、75%の学生が自身の住む寮をおすすめできると回答しました。
また解決しようの無いトラブルに直面したときには、思い切って引っ越したりするなどして、状況を回避することもできます。自身の幸福(well-being)を1番に考え、その時々の自身にとって最適な選択を取っていただくことが、寮生活及び留学生活にとって最も重要だと考えます。
*1…アンケート概要
実施期間:2023年5月、対象者:イギリスでの学生寮生活経験者9名
※情報は2023年5月時点のものであること、また限られた大学からの事例である点に留意してご覧ください。
ヨーク大学について
ヨーク大学(University of York)は1963年に設立された大学で、イギリスの名門大学で構成されているラッセルグループに所属。研究と教育の質の高さはグループ随一と言われ、特に社会学や歴史学に権威があります。キャンパス内では伝統的なカレッジ制が採用され、学生は所属するカレッジで学生と交流したり、さまざまなアクティビティやイベントに参加したりできます。