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【連載:留学体験談】アメリカ留学経験者が開発経済学を学びに本場イギリスへ!⑩修士論文作成の進め方~Part1 執筆前準備編~

Ishii Ryunosukeさん

2022年9月からイギリスのSOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)修士課程「MSc Development Economicsに留学中。

SOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)へ留学中のIshiiさんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!

今回は、イギリス大学院コースにおける最終関門、修士論文の進め方について詳しくお伝えいただきます。

大学院留学をご検討中の方や大学院生活に興味のある方はぜひお読みください。

現地から留学体験レポートをお届けします!

皆さん、こんにちは。最近のロンドンは気温が20度付近のちょうど良い日が続き、多くの人が外で日光浴をしたり、散歩をしたりしています。近所のパブリックビューイングで、ウィンブルドン選手権や映画などを毎日放送しており、連日多くの人が集まっています。

一方、学業の方は先日期末テストが終わり、修士論文を本格的に作成する時期になってきました。そこで今回と次回にかけては、修士論文の作成についてお話しできればと思います。

修士論文を執筆までの準備の流れ


①修士論文のテーマ決め


修士論文のスタートはこのテーマ決めから始まります。入学前から自分のテーマを持っている方は、特にテーマについて悩むことはないと思いますが、私も含め漠然としか考えてこなかった方々にとっては、このテーマ選びが初めに突き当たる壁になるかと思います。

私が修士論文のテーマについて考え始めたのは入学して1、2ヶ月ほどした頃でした。就職活動で忙殺されている中で、たまたま友人が修士論文のテーマについて話しており、不安になったことがきっかけでした。

学部時代に農業と金融という異なる二分野を勉強していた私は、漠然と修士論文はどちらかの分野にフォーカスしたものを書くのだろうとなんとなく思っていましたが、それ以上のことは特に考えていませんでした。また、修士コースにおいての科目選択の際も農業と金融どちらの授業も選択しており、より興味を持った分野のテーマを決めようと考えていました。

そんな中、1学期の終わり頃に修士論文のテーマについて食料・農業経済学系を教えている教授に話を聞きに行ったところ「どちらか一方なんて言わないで、両方組み合わせた分野で書けば良いのではないか?」とアドバイスをいただき、まさに両方勉強してきた自分の強みを活かせる分野だと思い、関連分野について少しずつ調べるようになりました。


②仮テーマの提出


私の学部では2月の中旬頃に仮テーマの提出を300ワードほどで提出することになっていました。私はテーマの分野は決まったものの、学期中は課題等で忙しく、深く調べることはできなったので、曖昧で大枠のみの仮テーマを提出しましたが、あくまで成績等はつかず担当教授を決めるためのものだったので、特に問題はありませんでした。

この段階で具体的なテーマは決まっていなくても、自分が勉強したい分野については、しっかりとしていると良いと思います。私も内容こそ曖昧だったものの、しっかりと書きたい分野については記述できていたため、修士論文のアドバイザーにおいてのミスマッチは起こらず、満足しています。


③テーマの具体化と文献探し


仮テーマの提出後は後期も本格化し、期末テストもあったため全く修士論文関係には手をつけられず、日々のリーディングと課題、期末テストに集中していました。個人的には、いくら修士論文で良いものが完成しても、他の単位を落としていては卒業できないと思っていたので、しっかりと日々の授業に集中をして、余った時間があれば、少し意識を割いてみる程度に作業していました。その方が心の負担としても良いと思います。

そうして、私が本格的に修士論文に取り掛かったのは期末テストが終わった6月の始めです。まず取り掛かったのは自分がなんとなくイメージしていたテーマの具体化と関連文献収集でした。この時点で教授にどのような文献を読めば良いのかについてアドバイスをもらえるとスムーズにいくと思います。

教授とのアポイントが取れない場合でも、トピックに関連する本などを読むと全体像が掴めて、他の文献を探すのにも役に立つのでおすすめです。私は、教授から最初に数件の文献は紹介していただいたものの、その後はなるべく自分で幅広く文献を探して、深掘りしていきました。

文献収集が進むに連れてその数も多くなり、どのような文献を読んでいたのか混乱しそうだったので私はエクセルにまとめる形で整理していきました。こうしておくことで、自分が読んだ文献を整理できますし、最後に参照を書く際にも便利です。


④教授とのミーティング


6月末頃に教授と本格的にディスカッションを始めました。ディスカッションと言ってもあくまで自分が書く修士論文なので、現在考えているアイディアをもう一度文章化して、すでに読み終えた文献なども紹介し、正しい方向に進めているか確認してもらうための時間です。

私の担当教授はファイナンス系の研究をされている教授だったのですが、最初のミーティングの際に同じ経済学部内で農業系の研究をされている別の教授を紹介していただき、会いに行くことができました。その教授からは担当教授とは違う視点でのアドバイスや文献の紹介などもいただき、視野が広がる良いきっかけとなりました。

私のように複数の分野にまたがる論文を書く方は、ぜひ色々な教授に話を聞きに行くと、また異なった視点を得ることができ、参考になると思います。

読んでくださった皆さまへ

今回はイギリス大学院での期末テストとその対策方法についてまとめました。本日説明した内容は私が入学1、2ヶ月後から7月の上旬にかけて行ってきたことです。7月の中旬からは本格的に執筆を始めようと考えています。

皆さんが所属される学部によっては、後期の授業に修士論文執筆にむけての科目が組み込まれていて、もっとゆっくりと時間をかけて準備を進めていく方もいらっしゃるかと思います。日程やテーマの決め方などについては学部や学科のルールを確認して、取り掛かっていただければ幸いです。

次回はいよいよ本格的な執筆についてお伝えしようと思います。お楽しみに!

SOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)について

SOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)は、その名が示す通り、アジア・アフリカ分野を特化した高等研究機関で、多くの大学ランキングで世界トップ級の評価を得ています。教鞭を執る教師陣の多くは各分野を最先端で研究する専門家。キャンパスは大都市ロンドンの中心にあり、英国博物館も目と鼻の先というロケーション。学内の施設で特徴的なものは、なんといってもアジア・アフリカ研究で世界有数の図書館。蔵書数が150万冊を超え、専門学習には最適な環境が整っています。

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