猛烈な台風15号が過ぎ去って、暑い日々が続いている日本。南半球のオーストラリアではまだ冬ですが、これから気温が上がって夏が近寄ると、森林火災が深刻な問題になってきます。
地球温暖化などによってオーストラリアの森林火災は毎年増え、輸出を支える農業にも大きな影響を及ばしています。実は、有名なオーストラリアのワインも、その例外ではありません。
オーストラリア各地に広がる巨大なブドウ畑の周辺で森林火災が発生すれば、火事による直接のダメージがなくても、煙がブドウに被害を与え、おいしいワインをつくれなくなります。
その対策として、メルボルン大学の研究者たちはこのほど、アデレード大学と手を組み、簡単にブドウへの煙の被害を検出できる仕組みを開発しました。
ブドウから放射される赤外線を分析して熱分布がわかる「サーモグラフィー」技術を使い、96%の精度でブドウが汚染されているかどうかを把握できるようにしているといいます。この方法ではブドウを摘んでこわす必要がないので、農家にとって経済的なロスも少ないとのことです。
日本でも農業改革が話題を集めているなか、メルボルン大学の研究から目が離せません。
【この記事は、2019年秋に公開したフェイスブック投稿を再構成したものです。】