今朝、通勤電車がいつもよりすいていると思ったら、なるほど、今週はシルバーウィーク。この連休を生かし、国内外で観光を楽しむ方も多いでしょう。私(beoの広報担当)は少し前、島根県にプチ旅行をしてきました。日本海側はやはり魚がおいしいのですが、牛乳もとても濃厚で絶妙な味でした。日ごろ、もっと牛乳を飲んで骨を強くしようと思いました。
大人の人間の体は、約200の骨から成り立っているといわれます。赤ちゃんだと、300以上もあるのですが、成長とともに分離していた骨がくっついて一つになるなど、数が減っていきます。その中、体が大きくなっても赤ちゃんのときとほとんど変わらないのが、耳の中の小骨だそうです。イギリスのブラッドフォード大学(写真は同大学のキャンパス)は今、この骨に着眼し、ユニークな研究を進めています。
同大学の考古学者らは160年ほど前のイギリスで暮らしていた子供の耳の小骨を分析し、その母親の妊娠中の食生活についてヒントを得ようとしています。実は、歯では以前から知られていたのですが、耳の小骨にも「母親は妊娠中にどんなものを食べたか」「栄養バランスがよかったのか」などの情報が残っているといいます。
母親の妊娠中の食生活について分かれば、生まれた子供の健康状態に関しても推測できるので、大きさわずか数ミリメートルの耳の小骨から、まるで「過去を再現できる」というわけです。この研究は考古学にとどまらず、歴史学や社会学、生物学などいろいろな分野での新しい発見に貢献する可能性があります。
こうして、研究分野の垣根を超えるのは、イギリス大学の強みの一つ。世の中がどんどん複雑化している中、融合的な研究にはますます注目が集まるでしょう。
【この記事は、2019年秋に公開したフェイスブック投稿を再構成したものです。】