B
B
E
E
O
O

【新連載:留学体験談】アメリカ留学経験者が開発経済学を学びに本場イギリスへ!①留学経験者でも新生活は予想外の連続!?

Ishii Ryunosukeさん

2022年9月からイギリスのSOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)修士課程「MSc Development Economicsに留学中。

SOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)へ留学中のIshiiさんによる体験談レポートの連載がスタートしました!

連載第一回目は渡航にむけての準備からロンドン到着後の様子などについて詳しくお伝えします。

大学院留学をご検討中の方やSOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)に興味がある方はぜひお読みください。

現地から留学体験レポートをお届けします!

皆さん、はじめまして。今年の9月より修士課程の留学をしている、Ishii Ryunosukeと申します。アメリカのオハイオ州の小さな大学を卒業後、イギリスの修士課程への進学を決断し、SOASの開発経済学のコースに在学しています。この連載では、イギリスの修士課程の学生生活の様子や日本・アメリカ・中国で生活経験のある私が、国や文化の違いなどさまざまな観点からお伝えしていこうと思っています。

アメリカの大学からイギリスの修士課程に進学という少し特殊なケースではありますが、読んでいただく皆さんが少し違った観点から留学について比較検討をする良い情報をお伝えできるよう努めていきますので、楽しんでいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

イギリスへの大学院留学を決めたきっかけ

まず簡単に自己紹介をしますと、父の仕事の都合で幼少期から転勤を繰り返しており、国内では新潟・仙台・東京で小学4年生までの時間を過ごし、小学4年生から中学1年生までは中国の広州と北京に住んでいました。中学2年生から高校3年生までは東京の学校に通っていたのですが、中国での経験がとても強烈で、大学も海外に行ってみたいという思いからアメリカの大学への進学を決めました。アメリカは他の留学に比べてとにかく学費が高かったため、日本の大学で1年間単位を稼ぎ良い成績を持っていくことで奨学金をもらい、オハイオ州の地方都市でなるべく質素な生活をしながら勉学に励んでいました。

アメリカの大学ではリベラルアーツという基礎教養がメインなため、大学卒業後の大学院への進学は初めから考えており、学部3年生の時から大学院のリサーチと進学のためのGREという共通テスト対策を始めました。しかし、多くのアメリカ大学の修士課程では学部と異なり奨学金が出にくく、2年間という学生生活はとても長く負担が重かったため、断念しかけていたところ、イギリスであれば修士課程を1年で終わらせることができる上に、学びたかった開発経済学が強い大学が多いことを知り、イギリス大学院留学を決意しました。

 

留学にむけて渡航準備!大学からの事前課題もこなす

2021年の冬から2022年の春にかけて出願を開始し、SOASからオファーをもらい、アメリカの大学卒業後の夏休み(5月~8月)を使い渡航準備を進めていきました。私はアメリカの大学へ進学経験があったため、ある程度留学までの流れを把握していたので、基本的には問題なく一人で準備を進めることができました。

大学から入学手続きに向けての書類が届いた後は、ビザと寮の申請手続きを進めました。また、大学側から入学前の数学の授業とテストについての案内が届いたので、それらの勉強を始めました。入学前の授業にしてはかなり内容が重く、1時間半ほどの録画された授業が12講義あり、統計学のリーディングも用意されていました。テストの形式は指定の日にちに各自で問題を解き、そのファイルをオンライン上にアップロードするというものだったので、特に時差などの影響を受けずに提出することができました。

ロンドン到着後のハプニング!寮に入れない!?大学でのストライキ!?

ロンドンに到着後は、1週間ほど寮に入れないというトラブルに見舞われました。渡航前は寮の家賃が高かったので、シェアハウスなどを探していたのですが、空き部屋が少なかったので結局断念し、寮の申し込みがギリギリになってしまったことが原因だったようです。中には、きちんと寮に申し込んだが、入居できるのはWelcome Week後という友人もいたので、皆さんはぜひ寮は余裕をもって申請し、また入居日をしっかりと確認して渡航してください。そんなわけでロンドンについてから1週間ほどはホテルやAirbnbなどに滞在していましたが、料金を安く済ませようと郊外に住んだため、都心部とは違うロンドンを観察でき、新しい発見にもなりました。

Welcome Week中に開催される予定であったコースのオリエンテーションが大学の職員のストライキで延期になったことも大学到着早々に起こったハプニングです。現在欧米は食料・エネルギー共に非常に高いインフレーションに直面しており、大学の職員も含めた市民の生活は厳しい状況にあります。そのため、SOASでも新学期が始まる前にストライキが行なわれていたようです。結果的に延期されたオリエンテーションは大学内の広場で座りながらコースについて話すというとてもインタラクティブなものになりました。ただ、ここでも面白いと感じたのは大学の職員たちがなぜストライキに参加しているかきちんと説明し、学生と協力しながら大学を良くしていきたいと話したことです。

イギリスに到着してハプニングが続き大変でしたが、早くも文化や考え方の違いを感じる場面も多く、イギリスに留学しているという実感をかみしめています。

アメリカ大学とイギリス大学院でのコースの進み方の違い

オリエンテーションでコースの説明を受ける中で一番驚いたのが、私がアメリカで経験した学部時代とSOASでのコースの進み方が異なることです。アメリカの大学では、毎週小さな課題をこなしつつ、学期内にそれぞれ中間テストと期末テストがありました。中間テストで出た範囲は、期末テストでは出さない先生もいるなどクラスごとに柔軟で初回にシラバスを読むことが非常に重要でした。

一方でSOASのコースでは、前期後期関係なく、5月ごろにある期末テストの一回でほとんどの成績が決まります。履修科目の多くではテストに加えて、レポート課題(3000~5000単語)もあり、こちらも成績全体のうちの30%の評価を占めるので、テストだけで成績が決まるわけではないと少し安心しましたが、前期のテストも後期の後にまとめて行うということに今から不安を感じています。また、3000単語のレポート課題を各科目で提出しなければいけないと考えると今後の留学生活がかなり厳しいものになることが今から目に浮かびます…。

読んでくださった皆さまへ

留学には慣れていると思っていた私ですが、やはり実際に来てみると予想していないことの連続で大変ですが、とても刺激的でもあります。また、SOASは大学名のとおりアジア・アフリカ地域の研究に関心がある学生が多いとは知っていたものの、実際に教授からアジア・アフリカ地域の情勢など専門性の高い説明を受けたり、様々な地域から集まる留学生と交流したりすることで、ほかの総合大学とは違った独特の雰囲気を持っていると感じました。

こうした一つ一つの経験を実際に体感することで見えてくる発見もあるので、1年という短い期間ですが、楽しみながら多くのことを学んでいきたいと思っています。

SOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)について

SOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)は、その名が示す通り、アジア・アフリカ分野を特化した高等研究機関で、多くの大学ランキングで世界トップ級の評価を得ています。教鞭を執る教師陣の多くは各分野を最先端で研究する専門家。キャンパスは大都市ロンドンの中心にあり、英国博物館も目と鼻の先というロケーション。学内の施設で特徴的なものは、なんといってもアジア・アフリカ研究で世界有数の図書館。蔵書数が150万冊を超え、専門学習には最適な環境が整っています。