こんにちは。Cambridge MBA生のTと申します。
今回の留学記では、就活とMBAのキャリアへの影響についてお話ししたいと思います。
私のバックグラウンド
私は今年29歳。日系のインフラ系企業に5年間勤め、その間英語を使用する機会はほぼありませんでした。しかし、そんな私がMBAへの進学を決意したのは、以下のような複数の理由があるからです。
- 単純に正規留学をしたかった。国際経験を積みたかった。
- 前職の閉塞感に嫌気がさしていた。
- MBAを海外移住のきっかけにしたかった。
- ネットワークを構築したかった。
- キャリアチェンジを望んでいた。

就活のスケジュールはどうだった?
私の場合、就職活動はおおむね以下のスケジュールで進んでいきました。
8月: 準備期間
CJBSから提供されたリソースを活用し、CVの添削を受けたり、セミナーに参加したりしました。この時点では、まだ具体的な業界は決まっていませんでした。
9月~12月:カリキュラムに追われ、就活は停滞
MBAの授業が本格的に始まり、多忙な日々が続いたため、就職活動はほとんど進みませんでした。
唯一、1社だけコンサルティングの面接を受けましたが、事前準備をほとんど行わなかったため、結果は不合格でした。この経験を通じて、コンサルティングやファイナンスの分野が自分には向いていないのではないかと感じ始めました。
まずコンサルティング業界については、チームプロジェクトを通じて、コンサルタントの方々の知的好奇心や体力に感銘を受けました。しかし、私は興味を持てないことに対してはモチベーションを維持するのが難しく、そのような高い好奇心とエネルギーを持ち続けるのは自分には難しいと感じました。
前職でコンサルタントの方々と一緒に働いた経験もあるのですが、彼らの仕事が実際にどの程度の実益をもたらしているのか疑問に思うことがあり、自分がこの分野で長く働くイメージを持てませんでした。
また、ファイナンス業界については、関連するテストの成績が振るわなかったことが主な理由です。加えて、周囲にはファイナンスのバックグラウンドを持つ人が多く、自分と比較するうちに、彼らのようにはなれないと感じるようになったことも影響したと思います。
12月~1月:冬休みを活用し本格応募開始
冬休みを利用して複数の企業に応募しました。結果として、以下の企業からインタビューオファーを受けました。
- 米系コンサル(ロンドンオフィス)
- ドイツ系電機メーカー(ドイツオフィス)
- 米系製薬(日本オフィス)
- 米系テック(日本オフィス)
2月~4月:最終的な結果
米系テック以外の企業では、1次面接で全て不合格となりました。一方、米系テックでは複数回の面接を経て、3月末にオファーをいただくことができました。

就活を終えて
私の場合、8月から就職活動を始めましたが、一般的には比較的早いタイミングにあたります。早い時期から動き始めたことで、効果的なWebサイトの活用方法など、ある程度のコツを掴むことができました。
就職活動を始めた当初は自分のバックグラウンドにあまり自信がありませんでした。しかし、活動を進める中で複数の面接オファーをいただく機会が増え、それが自信につながりました。
また、早い時期から就職活動を始めたことで、これまでとは異なる業界への転職(セクターチェンジ)に成功し、結果的に年収が大幅に増加したことも良かった点だと感じています。
一方で、就職活動を早く始めたものの、焦りもあったため、もう少し時間をかけてじっくり就職先を探してもよかったかなと感じています。また就職活動に集中しすぎた結果、授業の準備や友人との交流がやや疎かになってしまった部分もあり、その点は少し後悔が残っています。
MBAのキャリアへの影響は?
MBAに進学したことで、就職活動に良い影響を与えたと感じています。まず、CVPやGCPといったチームプロジェクトを通じて国際経験を積み、それをアピールできました。また、働いていたときよりも就職活動に専念できる時間が増えたので、面接対策に十分な時間を割くことができました。
一方で、MBAの強みとされるネットワークは、私の場合あまり役に立ちませんでした。同級生の中には、相手のバックグラウンドを目的に近づく人もおり、それを不快に感じる人もいました。私自身も就職活動で利用されそうになり、ネットワークとはいえ嫌な思いをしたことがあります。また、他の同級生の中には、リファラルを得て面接に進んだものの、最終的にはうまくいかなかった人もいました。
もちろん個人差はあると思いますが、最終的にはしっかりとした準備とこれまでの経験が何より重要だと感じています。
MBAに行ってよかった?

もちろん、MBAに進学してよかったと感じています。自分の将来について深く考える時間を持てたこと、新しい友人との出会いを楽しめたこと、そしてキャリアチェンジを成功させることができたことが大きな収穫でした。もし同じ会社で働き続けていたら、精神的に不健康になっていたかもしれません。
ただし、円安の進行を考慮すると、MBAの経験が必ずしも全て順調だったわけではなく、良い面だけでなくリスク面も十分に考慮した上での進学をお勧めします。
現実的な話をすると、例年MBB(マッキンゼー、BCG、ベイン)から一定数のオファーが出ている弊校ですが、2023年度は2024年7月時点(私の知る限り)ではゼロです。一方で、日本の就職市場は比較的好調なため、過度に悲観する必要はないかもしれません。
どの学校を受験するか、そもそもMBAに進学すべきかを検討する際には、すべてを受け入れる覚悟があるかどうかも含めて、慎重に考えることをお勧めします。