お久しぶりです。2020年秋からイギリスのキングストン大学で学んでいる中明日香(なか・あすか)です。2月上旬まで日本に一時帰国していましたが、現在は、ロックダウン中のロンドンに戻ってきています。今回は、イギリス留学への道やイギリス大学の良さについてお伝えしたいと思います。ぜひご一読ください。(第一回はこちら 、第二回はこちら)
日々、規制は変わりゆく中で、私は自主隔離をしていて、その間に二回のコロナの検査も受けました。
時が過ぎるのはあっという間で、もうあと数週間ほどで大学1年生が終わろうとしています。きっと、3年間の大学生活は、あっという間に過ぎるでしょう。
普通だったら、イギリスの大学は5月、6月まであるのですが、現在の新型コロナウイルスの影響で今年、私の学部はテスト期間がなくなり、3月末までで休みに入っています。
その分、成績は課題で決まるので、学期末は忙しくなりそうです。
そうなると、9月の2年生になるまで半年弱の夏休みがあることとなるので、この行動範囲が規制されている時代の中でいかに有意義な夏休みを過ごそうかと考えているところです。
beoで進学準備コースを受講して留学を実現
私は高3年生の秋頃に英国大学連盟(NCUK)の大学進学準備コース「International Foundation Year」(IFY)を知り、進路に迷いのあったものの、IFY受講を決意いました。海外の大学がいいと漠然に思い描いていたものの、大学を絞ることができなかった私には最適の進路でした。2020年3月から7月までbeoでIFYを受講し、その夏から留学生活が始まりました。
中さんが受講されたIFYは、アカデミック英語や専門知識を身につけ、留学先で学力を発揮させるための準備コースです。イギリスの名門校が加盟する英国大学連盟(NCUK)が世界各国で提供し、日本では唯一、beoで受けることができます。
私の代はコロナが流行り始めた時期と被ってしまったので、変わりゆく時代との葛藤もありました。IFYの授業がいざ始まったと思ったら、数回登校して緊急事態宣言のため、すぐにオンラインに切り替わりました。皆、慣れない中、なんとか授業を受けられるように設定し、最初はお試しオンライン授業という感じで始まったのを覚えています。
その時はこんなにも世の中がオンラインに切り替わるとは思ってもいませんでしたが、先生たちやクラスメイトに使い方を教えてもらいながら受けた授業の経験のおかげで、今の大学でも問題なく、オンライン環境を使えると実感しています。
IFYで学んだことをイギリス大学の授業で応用
IFYでは受ける科目が決まっているので、人それぞれの専攻によりどの程度、勉強内容が役立つかは大学での科目によっても全く異なると思います。私は社会学・国際関係学を専攻にしているので、IFYで受けた社会学の内容がとくに役立ちました。
IFYでは、日本の高校では教わらないようなことが多かったと思いますが、イギリスの大学で勉強していて感じたのは、日本の高校で学んだことより圧倒的にIFYで学んだことが応用されているということです。例えば、私はマルクス主義についてIFYで初めて学びましたが、大学での社会学の授業では、初めからそれを知っているのが当たり前で授業が進んでいきました。
課題のやり方も、IFYの先生に教わったことを今でも覚えて使っています。IFY受講しているときに度々先生たちがお勧めのサイトをたくさん教えてくれたのですが、それを私は毎回パソコンに保存していました。今でもそれらのサイトが大いに役立っています。現在は、四つの科目を受けていて2年生からはそのうちの2教科が選択科目になるそうです。
ググっても出てこない答えを考える面白さ
日本人の友人に社会学と国際関係を学んでいるというと「難しそうだね」とか「どんなことを学ぶの?」といわれることがあります。それに対して、私はなんとも答えられませんでした。確かに第2言語で学んでいることもあり、簡単ではありません。しかし、とても興味深いのです。もちろん、それは私の学びたかった分野だったからでもあります。
例えば、日本の大学の友達の課題やテストを見せてもらうと、ほとんどに正解があって機械的に採点化されます。しかし私は今のところ、「〇」「×」で採点される問題は図書館の使い方や参考文献の探し方などで、授業の内容と関わることで出た記憶がありません。
今、出ている国際関係の課題の一つは、「もし自分が政府で新しい政策を発案するとしたら、どのようなものを総理大臣に提出しますか」というような内容です。私はその問題を見て、海外の大学の良さを感じました。その答えはどんなにググっても出てはきませんし、どれだけ自分の脳で考えられて魅力を伝えられるかが問われていると思うのです。
社会に出たら、きっと正解か不正解かで解決できる問題は少なく、このような思考力が試される――。まだまだ難しいことや大変なことはたくさんありますが、少しずつ解決していけたらと思っています。
では、また次回に!
キングストン大学について
1992年に設立され、ロンドン郊外に4つのキャンパスを置いています。大学ランキング「2021 Guardian University Guide」で、イギリス大学の上位40位に入りました。とくにデザインや教育、薬学、生物科学、看護学などの分野で高い評価を得ています。キングストン大学には16,785名の学生が在籍し、そのうち、3,680名が留学生(2019年)です。国際色豊かな環境で学習することができます。詳細はこちら