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UCL ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン 大学院留学 留学体験談

大学院留学を振り返って

Segawa Ryoさん

大学院留学 イギリス

留学先UCL ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学) University of London, University College London (UCL)
コースMSc Advanced Neuroimaging
期間2020年9月~2021年9月

留学を決意された動機は何ですか?

留学のためというよりは、日本人の「右へ倣え」な常識が苦手だったため、このタイミングで日本から離れることを決意していました。

留学先の国を選んだ理由を教えてください。

英国は長期で留学経験があったため慣れていたのと、他のヨーロッパの国へのアクセスがいいからです(ヨーロッパ旅行が好きなので)。

最終的に留学を決めた学校/コースを選んだ理由は何でしたか?

Londonは日本食も簡単に手に入るし交通もよく色々と便利なので。あと、手前味噌ですが神経科学の分野では世界屈指の研究機関なので。

留学先の様子やおすすめポイントについて下記の点から教えてください。
1.クラスメイト 2.授業内容 3.学校/施設 4.町の様子 の4つの視点から詳しく教えてください。

1. 私のinstituteに限った話でいえば、私のクラスメイトや他のコースの人間のほとんどはヨーロッパ圏出身でした。UCLはその歴史からも多様性を重視しているため非常に国際的です(コースによっては国籍に偏りがありますが)。
2. 講義内容に関してはそれこそ講師によりますが、UCLはOxbridgeや他のUniversity of London界隈のコミュニティと密接に連携しているため、UCLだけでなくそれらのスタッフによる講義も多かったのが印象的でした。
3. また、私のキャンパスは大学付属の脳神経外科病院と接続しているため、付属の大学病院施設やスタッフとの風通しがとてもよいです。UCLのキャンパスはLondonの中心部に点在しており、どのキャンパスもアクセスはよいです。また、関係者のみが使用できる図書館や食堂もあります。
4. 街の様子はご存知の通りLondonです。メインキャンパスのすぐ近くには大英博物館やKing’s Cross station(ハリーポッターの9と3/4番線)があります。

学校での1日のスケジュールについて教えてください。

かなり柔軟なので一概にはいえませんが、以下のようなスケジュールが多かったです。
10:00~12:00:講義
12:00~22:00:研究

卒業後の進路や将来の目標について教えてください。

UCL在学中にEUが資金提供するPhDプロジェクトのポジションをいただき、修了後はヨーロッパの研究機関を転々としながらPhD researcherとして研究を続けています。現在はUCLと精神医学の研究プロジェクトに携わりながら、ドイツのUniversity Medical Centre GöttingenとGerman Primate Centreという研究機関で知覚や意識の研究を進めています。将来の目標は、まず第一目標として不死の実現を目指しています。そのために脳神経科学やAIを専門としてきましたが、アカデミアに残る残らずに関わらず、不死の実現に貢献できるような活動を主軸としていくつもりです。

今後、留学を目指す方へのメッセージをお願いします。

アドバイスや激励は他の方がしてくださっていると思うので、私からは留学を意識している方の心理的な不安を緩和する目的でメッセージを送りたいと思います。留学経験が乏しい場合は、言語も文化も異なる場所に滞在することに対して、不安や恐怖を感じると思います。この心理的なハードルに対して私がいつも考えるのは、専門用語で恐縮ですが「Exploration-Exploitation Trade-off(探索と活用のトレードオフ)」とよばれるジレンマです。これは新しい環境を探索すればするほど世界の情報(経験や知識)が増えることによって、より多くの選択肢の中から最適な意思決定ができるようになる反面、新しい環境の探索にはコストもかかるということです。コストには例えば、時間やお金、探索によってよい情報が得られない可能性などがあります。つまり、現在AとBを知っているが、まだ見ぬ環境に飛び込んでみれば、探索しなかった場合にはできなかったCという選択もできるようになるかもしれないということです(ただし、CがAとBよりいい選択肢かはわからない)。皆さんは今まさに日本という環境しか知らないため、海外が日本より皆さんに合うのか合わないのかすらわかりません。
さて、このトレードオフには最適解が存在します。最適な選択(留学に行くか否か)は、探索にかかる時間と得られる価値を皆さんの状況に照らし合わせることでわかります。例えば若く健康なうちは、留学で得た経験を将来的に活かすチャンスは必然的に年配者や基礎疾患持ちの人よりも多くなります。しかしこれはいかに将来的な幸福を最大化するかという問題なので、年配者や基礎疾患持ちの人は留学しないほうがよいということではありません。
ここで私の所感ですが、日本人は日本から出ないため圧倒的に探索が足りていません。私が日本に帰らない理由は日本で得られる幸福が最大100だとするなら、海外にいると最大200の幸福を感じるからです。これは日本にいると絶対的に不幸であるという意味ではなく、100までの幸福しか知らない人にとっては100を得られる環境が最適(最も幸せ)な環境なのです。つまりは「知らぬが仏」です。海を越えた見たことのない200の幸福を体験する方法は探索です。留学で得られる経験が皆さんの先の人生をさらに豊かにすると信じています。

留学先で撮った写真

UCL ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学)について

UCL ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学)(University of London, University College London (UCL))は様々なカレッジが集合して成り立つ『ロンドン大学』を構成するカレッジのひとつです。ロンドンの中心部、大英博物館の近くにキャンパスを構え、英文学などの人文系科目から工学、サイエンスなどの理系科目まで高い研究評価を得ています。 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンは、オックスフォード、ケンブリッジに次ぐイギリス内でも3番目に古い大学として有名ですが、それ以外にも、イギリスで初めて女子学生を受け入れた大学、また法学・建築学・薬学の各分野において体系的な教授を始めた大学、学生による学生のための組織『Student Union』が初めてつくられた大学としても知られています。創立当初から国籍・宗教などの分け隔てなく入学を認めており、長い歴史を誇りながらも常に新しい取り組みを続けています。