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【連載:留学体験談】大河内洋介さんが語る「30代からのビジネススクール留学体験」②内なる声に導かれて(履修登録、Welcome Week、授業開始直後の様子)

大河内 洋介(おおこうち・ようすけ)さん

2021年秋からイギリスのエジンバラ大学ビジネススクール修士課程マネジメントコース「MSc in Managementに留学中。

エジンバラ大学へ留学中の大河内さんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!
今回は、『内なる声に導かれて』というタイトルで、現地での履修登録、新入生歓迎ウィーク(Welcome Week)、授業開始直後の様子について詳しくお伝えします。
大学院留学をご検討中の方やエジンバラ大学に興味がある方はぜひお読みください。

現地から留学体験レポートをお届けします!

皆さん、こんにちは。7月の事前英語準備コース(プリセッショナルコース)からエジンバラ大学に留学している大河内洋介です。10月に入りイギリスもやや涼しい日が多くなってきました。今回は修士コースの履修登録、Welcome Week、授業開始直後の様子をお伝えします。

留学を決意させた直感の正体

修士コースでの最初の意思決定として履修登録をしました。私のコースはSemester 1(1学期)に6つの中から4つの授業を、Semester 2(2学期)に14個の中から4つの授業を登録する必要があります。しかも9月中旬の段階ですべての授業を登録しないといけないので、2週間くらい頭を悩ませました。本当は1学期を終えて自分の関心分野を見極めてから2学期の登録をしたかったのですが、そうはいかなかったのです。

授業選びの段階で、改めて「なぜ留学に来たのか、卒業の段階でどんな状態になりたいのか」を整理しました。お恥ずかしいことに、正直なところ留学を決めたのは直感8割戦略2割で、渡航段階でどなたにも納得される明確な理由を説明することは難しい状況でした。ある程度後付けでも良いからと思い、ノートにこれまでの自分の歩みやこれからどうなりたいのかを正直に書き連ねた結果、この段階で留学を決意した自分の本音が見えてきました。

思い返すと、私の中には常に敗北感と劣等感、焦燥感がありました。人生で特に大きな失敗は大学受験で2年間浪人したことです。結果として第一志望校に合格できなかったこと、同世代に後れを取っているという自己認識から、10代の後半から20代は私にとって悩みの多い時期でした。また、2回の転職の度に周囲の優秀な社員の実力に驚き、自分の持ち味を見失うことが少なくありませんでした。本来は様々な方と知り合って視野を広げ、自分の強みを伸ばし、腰を据えて専門性を高めるべき時期に、全てが中途半端に終わっていたのです。

こうして、今回留学を決心した私の中心には「胸を張って人生を生き、変化する環境下でも力強く前に進めるよう自分を鍛え直したい」という内なる声があったことに気付きました。留学が最善の選択かについては様々な意見があるかと思いますが、慣れ親しんだ国を出て挑戦し、ネットワークと専門性を身に着ける機会が私にはどうしても必要だったのです。

戦略面では、公務員とコンサルタントの両方を経験してきた中で、公益性を重視した企業経営を研究したいと考えていました。事業の継続と発展の前提として社会の持続可能性があり、それらの両立やバランスの取れた経営こそ、企業の存続条件に今後はなるという認識からです。以上の検討を経て、今回の留学では、公益に資する企業戦略、それを実現するための組織戦略の専門性を習得することに決めました。

提供される科目はどれも魅力的なものばかりでしたが、自分の軸が定まった結果、自信をもって絞りこむことができました。やや遠回りにも思える道をたどったことで、私にとって実りの多い留学生活になるという確信めいた予感が、今はあります。

新しい環境にいち早く溶け込む

コロナ禍で一部の規制はあるもののキャンパス内は歓迎ムードでした。コースの初回セッション、歓迎イベント、サークルの勧誘活動など賑やかに行われていました。1年間しかない留学生活で様子見している余裕はなく、スタートダッシュを決めるつもりで飛び込んでいきました。
初回セッションではコース責任者の先生から「私はあなたたちのボスではない、あなたのボスはあなた自身だ」という言葉をいただきました。学生生活という自由とともに同じくらいの責任を得たことを自覚したところです。他にも先生からの期待事項やコースの仕組みなど話していただき、留学生活をどのように乗り越えるか検討するための最初の材料となりました。

歓迎イベントとして、同じビジネススクールの学生と街歩きをしながらクイズに答えるというイベントに参加しました。20チーム以上の対抗戦だったのですが、運よく優勝することができ、記念のメダルをいただきました。留学のはじめに良い思い出ができましたし、一緒のチームの方とはもちろん仲良くなれましたよ。

どのコミュニティでもそうであるように、なるべく早い段階で顔を売り、気の合う仲間を作っておくのは大切だと感じました。プリセッショナルコースからWelcome Weekにかけてできた仲間は、今でも親しく話しますし、ビジネススクール棟のロビーで色々な友人が声をかけてくれるたびに元気をもらっています。

学習や就職活動の勝ちパターンを見つける

本稿執筆時点で早くも2週目の授業が終了しました。授業の様子は次回詳しくお伝えしたいと思いますが、第1週目はプログラムの紹介や各科目の基本的な知識を、第2週目からは段階的に各テーマを深堀する内容です。多くの授業で学生の主体的な参加が求められる中にあって、英語で意見表明することにやや苦労しています。ただ、事前の読書課題や予習用動画をしっかり頭に入れて、自分の意見を持って教室に行くとある程度通用することも分かってきました。自分なりの勝ちパターンを早く見つけたいと思っています。

また、就職支援も大変手厚く、各プログラムの受講時間よりも就職セッションを受けている時間の方が長いほどです。現在のところ修士コース終了後は帰国予定ですが、せっかくの機会なので、経験値を増やすこととスキルアップのためにも積極的に参加しています。就職活動は”Elimination Game”であるというご担当者の言葉が印象的で、こちらも早期に自分の勝ち筋を見出だすことが大切と認識しました。就職支援の詳細も次回以降にお伝えできたらと思います。

読んでくださった皆さまへ

今回も長文にお付き合いくださりありがとうございました。留学という人生の一大決心にあたっては、その動機の全てを論理立てて説明するのは難しいことかもしれません。周囲の日本人学生にも話を聞きましたが、みんな迷いながらもどこかでこの選択が一番正しいと自分に言い聞かせて留学しているように感じます。
ただ、より納得感のある選択をするためには、ご自身にとって大切な価値観は何か、なぜそのような価値観を持つに至ったのか、今後本当に成し遂げたいことは何なのかをじっくりと考えていただくことが大切かと思います。また、事前にご自身の軸を立てておくことは、かなりの胆力が求められる留学生活に耐え抜く上でも、有益なことではないかと考えています。beoのカウンセラーの皆さんは豊富な留学経験をお持ちとのことなので、そういった点をご相談になるのも良いのではないでしょうか。
次回は、本格的に始まった授業内容を中心にお伝えする予定です。今回のおまけとして名所アーサーズ・シートからの眺めをご共有しますね。エジンバラを中心に海の向こうまで見渡せて、登りきったときには久々に深く呼吸できた気がしました。

エジンバラ大学について

エジンバラ大学(The University of Edinburgh)は1583年に設立された歴史のある大学で、スコットランドの首都エジンバラにキャンパスを置きます。QS World University Rankings 2022では、世界16位に選出されたイギリス名門大学で、自然科学の分野でスコットランド最大規模の学部を有しています。同大学では300以上のコースが提供され、なかでも会計学、考古学、経営学、英語・英文学、工学、哲学、心理学などの25分野で高い評価を得ています。留学生の数も多く、国際色豊かな環境で学習することができます。コースは、教育水準がイギリス最高レベルと認識されている言語学や、100年以上の歴史を誇るスクールで学ぶMBA(経営学修士)、国際・ヨーロッパ政治、環境と開発などが支持を得ています。