この記事を書いた人
Yukinaさん
2022年9月よりイギリスのリーズ大学学士課程「Sociology BA」コースに留学中。
ニューヨークの語学学校に短期留学後、事務職や飲食店で働きながら、さらなる英語力向上のため、東京の外国語の専門学校に入学。卒業後は長期留学を目指し、大学進学準備コース(NCUK IFY)に入学し、加盟大学のリーズ大学へ進学。
皆さん、こんにちは。リーズ大学で社会学を専攻しているYukinaと申します。
今回はイギリスの学士課程への留学をお考えの皆さまへ、現在リーズ大学1年生である私が、授業の種類や受け方など学士課程での勉強の様子についてシェアしたいと思います。また後半では私がすきま時間に行っている英語の勉強についても少しお話したいと思います。
単位の仕組みと授業の種類
<1年間履修する単位数>
多くのイギリス大学では年間120単位、卒業までの3年間で360単位取り、卒業となっています。私が在籍するリーズ大学のSociology BAのコースも同様で、1年次の今は各20単位の必修科目を5科目と選択科目を1科目履修しています。
現在履修している選択科目はリーズ大学が学生に学部を超えた学びを提供するために設けているDiscovery moduleの中で開講されている科目で、私は、English for communicationという留学生限定の科目を履修しています。自分が興味ある科目を分野や学部関係なく履修できるので、この制度は個人的に結構気に入っています(コースによってDiscovery moduleの必要単位数が異なりますので、詳細はご自身でご確認ください)。
<授業の種類>
イギリスの学士課程で行われる授業の種類は大まかに分けると下記の3つとなります。
・レクチャー
大人数で受ける講義でレクチャーによって人数は変わりますが、数十人~数百人規模となります。私が在籍するコースでは対面式、録画済みの授業をオンラインで見る形式、週によって対面式またはオンラインで開講されるハイブリッド式の3つが存在します。
・セミナー
レクチャーよりも小規模で、通常5~30人程度のグループで行われます。レクチャーで習ったことと、事前に与えられたリーディングタスク(本や学術記事がメイン)をベースに、クラスメイトとのディスカッションを通して、理解を深めるといった授業内容が基本です。
・チュートリアル
チュートリアルは、セミナーよりも少人数のグループで行われ、授業でわからなかった点や勉強でつまずいてしまっている点などをチューターに質問、相談することができます。担当する教授によってセミナーがチュートリアルと呼ばれたりすることもあるので、詳細は必ず現地で確認するようにしてください。
授業の受け方
ここでは授業の大部分を占めるレクチャーとセミナーの授業の受け方について、授業前、授業中、授業後の3つに分けて説明します。
<レクチャー>
・授業前
レクチャーは担当教授によってはスライドを事前に共有してくれるので、予習の段階で内容を確認し、授業の中でどのようなトピックが扱われるかを頭に入れておきます。事前にスライドの共有がない場合は、ウェブサイトに記載されている授業で扱うトピックの簡単な説明を読んでおきます。
入学当初は特にそれぞれの先生が持つアクセントや聞き慣れない専門用語を理解することが非常に難しかったので、予習の段階で授業のキーワードなどもノートにまとめておきます。
ノートのまとめ方としてはいろんなところで推奨されている「コーネル式(1ページを3つのパートに分けて使う方法)」(1枚目の写真参照)を私はMicrosoft OneNoteを使って自分版に改良しています(2枚目の写真参照)。
今はまだ英語よりも日本語のほうが圧倒的に早く見返すことができて、課題を行うときにこのほうが効率的なので、日本語訳つけてしまっています(笑)。今後は英語でまとめられるようになりたいと思います!
・授業中
リーズ大学では対面式のレクチャーでもすべて録画されており、授業後にオンラインで見直すことが可能ですが、できるだけ効率的に勉強を進めるためにも積極的に聞き、注意深くメモを取るようにしています。
特にFirstlyなどの流れに関する表現や、For exampleなどの事例を示す表現などの「サインポスト(道しるべ)」がレクチャー中に聞こえたら、より注意して聞き取るようにしています。
・授業後
可能な限りレクチャーの翌日までにはオンラインで録画された授業を見直し、聞き取れなかった部分やノートにうまくまとめられなかった箇所をチェックしながら、復習していきます。
またその際に、レクチャー後に感じた疑問点や質問もまとめておき、レクチャー後のセミナーに活かせるようにしておきます。
<セミナー>
・授業前
まず事前のリーディング課題をこなします。事前に1~2つのリーディング課題が出るのですが、専門用語が多く内容が難しい上に1つの課題につき20ページ以上とボリューム感もあるので、重要ポイントを拾いながら、効率的に読んでいく必要があります。
リーディングを終えたら、あらかじめ与えられたセミナーでのタスクに取り掛かります。私のコースでは、セミナークエスチョンという形で、セミナーで何についてディスカッションするかを先に提示されるため、それに対して自分の意見を用意しておきます。
しかし、セミナーによっては用意されていた質問と全く違うことを聞いてくる教授もいるので、レクチャー後の復習とリーディングを行う際に、疑問点や同意できたポイントなどを挙げて一緒に考えておくといいでしょう。
・授業中
予習の段階で用意した自分の意見をディスカッションの場で発言できるように、心がけています。しかし、ネイティブの学生とのディスカッションはそう簡単なものではなく、クラスメイトのアクセントに慣れずうまく聞き取れなかったり、うまく発音できず自分の意見が伝わらなかったりすることもあり、毎回悪戦苦闘しています。
それでも、まずは相手の意見をきちんと聞く、そして相手の意見が全部わからなくても、単語や表情からも意味を拾い上げ、意見に賛成か反対か、なぜそう思うのかの理由を言えるように心がけています。思うように行かずに心が折れそうになることもありますが、「私留学生だから、発音や表現が完璧じゃないのも当然!」とある意味開き直って、自信を持つようにしています。意見を言えずに黙っているより、今の自分の出来る限りで一生懸命伝えるほうが絶対に良いです。
・授業後
セミナー中に取ったノートなどを見返し、復習しています。セミナー中にうまく発言できなかった日はトピックや用語の定義をしっかり理解できていない場合が多いので、レクチャーや事前リーディングを見直したり、それでもわからない点があれば担当教授に相談したりします。また、youtubeなどで参考になる動画を探したり、場合によっては日本語で調べたりなど、授業で扱う資料以外にも目を通し、1回1回のセミナーの理解度を上げています。
授業に向けての準備時間以外のすきま時間で英語の勉強
私はあまり机に向かってがっつり英語の勉強をするのが得意ではないので、朝起きた時や寝る前などのすきま時間を使って勉強するようにしています。最近特に力を入れているのはリスニングで、BBC、YouTube、ポッドキャスト、TEDなどでリスニング力を鍛えています。
というのも、リーズに来てからBBCニュースのようないわゆる標準語のような英語ではなくヨークシャーアクセントという地域のアクセントで話す人が多いのと世界から集まる教授陣は各々のアクセントで授業を進めるため、会話や授業の際に苦戦していて、いろんなアクセントに慣れる必要があると思っています。
またスピーキングについても、積極的に時間を割くようにしていて、週末はネイティブの友人を時間を過ごしたりなど、アウトプットの機会を作るように心がけています。またリーズ大学にはLanguage Zoneと呼ばれる在学生向けの言語センターがあり、そこで英語のクラスなどさまざまなイベントが開催されています。アウトプットの場としてこういった場所も効率的に利用していけると良いと思います。
読んでくださった皆さまへ
▲リーズ大学のキャンパスにいる野生のうさぎ
今回はイギリス大学の学士課程での授業の様子についてお伝えしました。
今回紹介した授業の受け方が少しでも皆さんの参考になっていたら嬉しいです。ちなみに私は授業などで聞いたことやリーディング課題で読んだことを「へ~!そうなんだ~!」とすんなりと受け入れてしまうところがあるので、イギリス大学で重要視されているCritical thinking(批判的思考)を身につけるのにかなり苦戦しましたので、皆さんにはぜひ疑問点などをメモする癖を最初の段階からつけておくことをおすすめします。
とはいえ、学士課程は3年間あります。初めから、エンジンフル回転で頑張りすぎちゃうと、いつかエンストしてしまうかもしれません。1年次の成績は卒業時の成績に反映されない大学も多いみたいなので、1年次はゲームでいうところのチュートリアルと思って、肩肘張らずに楽しみましょう!
リーズ大学について
リーズ大学(University of Leeds)は1904年に設立された大学で、イングランド北部リーズにキャンパスを置きます。QS World University Rankings 2023では、世界TOP100に選出されたイギリス名門大学で、研究部門を強みとするイギリス名門校群「ラッセル・グループ」に所属しています。学生数39,000人以上の大規模校で、137か国から学生が集まる「留学生に人気な大学」としても有名です。特にビジネススクールは三大ビジネススクール認証機関であるAACSB、AMBA、EQUISのすべてからトリプル認証を受け、国内外から注目を集めています。