デジタル技術の分野で目覚ましい成長を遂げているオーストラリア。セクターはここ5年で約80%も拡大しており、特にSaaS(Software as a Service、「サービスとしてのソフトウェア」の意味)、FinTech(フィンテック)、サイバーセキュリティなどの分野の発展が目立ちます。*1
このような状況の影響もあり、ITやコンピューター関連の分野は、オーストラリアの大学・大学院にて学ぶ留学生からもっとも人気を集める学問の一つとなっています。その背景にはもちろん、同国の大学の教育・研究の質の高さがあります。大学ランキングの定番「QS世界大学ランキング」において11校の大学が世界Top 150に入っているオーストラリアは、分野別ランキングでも優秀な結果を獲得。たとえば、コンピュータサイエンスと情報システムの分野ランキングでは、国内にある7つもの大学がTop 100に名を連ねています。*2
今回はそのなかの一つ、モナッシュ大学をご紹介します。オーストラリア最大規模にして、国内ランキングTop 5に入る同大学は、未経験でも一から学べるIT関連の修士コースを開講しています。
*1 Digital Technology Report by Australian Government, Australian Trade and Investment Commission
*2 QS World University Rankings by Subject 2024: Computer Science and Information Systems
モナッシュ大学のランキング結果と強い分野
モナッシュ大学のメインキャンパスは、オーストラリア南東部ビクトリア州の州都メルボルンにあります。学生は約86,000人と、同国でもっとも生徒数が多いマンモス校として知られています。また、そのうちの約30,000人は留学生。学生の2~3人に1人が留学生、しかも出身国は170か国以上に及ぶという、非常にグローバルな環境が特徴です。
・創立:1958年
・キャンパス所在地:ビクトリア州メルボルン(6か所)、マレーシア、インドネシア、中国、インド、イタリア
・学期:2学期制(2月、7月)
モナッシュ大学は数々の大学ランキングにおいて華々しい記録を残しており、メルボルン大学やシドニー大学などと一緒に同国の名門大学群「グループ・オブ・エイト(Go8)」を形成しています。
主な大学ランキング結果
・QS世界大学ランキング /QS World University Rankings :42位
・THE世界大学ランキング / THE World University Rankings : オーストラリア国内2位
・U.S. News 世界の大学ランキング/ US News and World Report Best Global Universities Rankings: 37位
・QSサステナビリティ大学ランキング/QS Sustainability Rakings:23位
高く評価されている専攻・分野
モナッシュ大学には10の学部(Faculty)があり、大学(学部)では約150、大学院では200を超えるプログラムを提供しています。なかでも薬学、看護学、教育学、工学、ビジネス、経済、コンピュータサイエンスに強く、各種大学分野別ランキングでも高く評価されています。
薬学 | 看護学 | 教育学 | 工学 | ビジネス | 経済 | コンピュータサイエンス | |
QS | 世界2位 (オーストラリア1位) | 世界21位 (オーストラリア2位) | 世界23位 (オーストラリア3位) | 世界73位 (オーストラリア4位) | 世界62位 (オーストラリア4位) | 世界36位 (オーストラリア2位) | 世界68位 (オーストラリア5位) |
THE | – | – | 世界16位 (オーストラリア2位) | 世界54位 (オーストラリア1位) | 世界46位 (オーストラリア2位) | 世界46位 (オーストラリア2位) | 世界52位 (オーストラリア1位) |
世界大学学術 | 世界19位 (オーストラリア1位) | 世界3位 (オーストラリア1位) | 世界18位 (オーストラリア1位) | – | 世界7位 (オーストラリア1位) | 世界36位 (オーストラリア1位) | 世界48位 (オーストラリア1位) |
上の記事で説明しているように、ランク付けの基準となっている指標は各ランキングによって異なります。しかしながら、上の表に記載した分野はすべて国内Top 5に選ばれている点に注目。あらゆる指標において高評価を獲得していることがわかります。
なお、モナッシュ大学のビジネススクールはトリプルクラウン(Triple Crown)校としても有名。トリプルクラウンとは、AMBA(Association of MBAs)、AACSB(Association to Advance Collegiate Schools of Business)、EQUIS(European Quality Improvement System)の3つの認証機関から国際認証を獲得したビジネススクールのことで、世界中のビジネススクールのわずか1%(約15,000校のうち約100校)がこれに該当します。
グループ・オブ・エイトで唯一IT学部を保有
コンピュータサイエンスの分野で高く評価されているモナッシュ大学ですが、グループ・オブ・エイトのメンバー校のなかで唯一、情報技術(Information Technology)に特化した学部を保有する点も魅力です。
IT学部は、以下の3つの学科で構成されています。
・データサイエンスとAI(人工知能)
・ヒューマン・セントリック・コンピューティング(HCC)
・ソフトウェアシステムとサイバーセキュリティ
講師陣はすべてその道のエキスパートであり、所属するデータサイエンティストの数は南半球随一。ヒューマン・セントリック・コンピューティングのリサーチグループは世界Top 10に数えられています。
また、同大学はつい先日、NASAのJPL(ジェット推進研究所)にてDeputy DirectorとCOO(Chief Operating Officer)を務めていたラリー・ジェームス氏がモナッシュ大学の講師陣に加わったと発表。IT学部や工学部などと連携し、航空宇宙分野での研究を強化していくポジションに就いたとつづっています。
このような華々しい活動を行っているモナッシュ大学のIT学部ですが、意外にも、学士号を異なる分野で取得していたり、関連する職歴がなかったりしても出願できる修士課程プログラムを提供しています。参考までに、以下の2つのプログラムは、オーストラリアの学士号(または同等の学位)を取得していることが学歴に関する出願条件です。
Master of Information Technology
この修士課程プログラムは、戦略的に管理できる能力を持つITプロフェッショナルを生み出すことを目的としています。コースでの学びを通して、技術および問題解決スキルを高めると同時に、プロジェクトを主導し、技術関連の意思決定を形成する能力を磨くことができます。
コースは、IT関連のバックグラウンドがある人も、そうでない生徒も、共に学べるようフレキシブルに設計されており、JavaやPythonなどのプログラミング言語やSQL(データベース言語)を基礎から学べます。
通常は2年のコースですが、ITやコンピュータサイエンス関連の学士号を保持している場合は1.5年で卒業できる可能性があります。
Master of Cybersecurity
セキュリティアナリストやセキュリティエンジニアなどのキャリアに興味がある方を対象とした修士号プログラムです。データや通信ネットワークを保護するためのサイバーセキュリティシステムを設計、実装、評価、管理する知識を身に着けることで、サイバー攻撃やシステム障害によるセキュリティ事故を未然に防ぐために必要なスキルを習得できます。
こちらのコースも、出願する際にIT関連の学位や職歴は不要。必要とする学生にはデータベースやPythonなどの基礎知識を提供し、柔軟に対応できるよう構成されています。
コース期間もMaster of Information Technologyと同様で、基本的には2年。経歴によっては1.5年で卒業が可能です。
beoはモナッシュ大学の日本出願窓口です。 コース選びから出願準備、合格後の手続きなど、大学の窓口としてきめ細かなサポートを提供しています。
留学に少しでも興味がある方は、ぜひ一緒に準備を進めていきましょう!
最終更新日:2024年5月31日