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【連載:留学体験談】大河内洋介さんが語る「30代からのビジネススクール留学体験」③チャレンジの回数(授業、提出課題の様子)

大河内 洋介(おおこうち・ようすけ)さん

2021年秋からイギリスのエジンバラ大学ビジネススクール修士課程マネジメントコース「MSc in Managementに留学中。

エジンバラ大学へ留学中の大河内さんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!
今回は、『チャレンジの回数』というタイトルで、現地で大河内様が授業や提出課題に奮闘される様子について詳しくお伝えします。
大学院留学をご検討中の方やエジンバラ大学に興味がある方はぜひお読みください。

現地から留学体験レポートをお届けします!

皆さん、こんにちは。7月からエジンバラ大学ビジネススクールに留学している大河内洋介です。11月に入ってサマータイムが終わり、日中でも冷え込む日が増えてきました。今回は1学期の授業と提出課題の状況についてお話ししたいと思います。

膨大な予習と緊張感のある授業の中で専門知識を身に着ける

今学期は、Service Management、Organisational Behavior、Economics and Business Analytics、Corporate, Social and Political Responsibilityの4科目を履修しています。科目ごとに週2~4コマの授業があり、講義のスタイルは先生方によって様々です。また、コロナによる規制の中でも、うまくオンラインと対面の形式を組み合わせて構成されており、オンラインは先生からの講義が中心で対面の方はディスカッション中心、という具合です。学生の経歴が様々な中では、ある程度基礎知識をインプットする必要があることから、週の前半はインプット、後半はアウトプット中心の授業構成が多いです。

いずれの形式にしても、予習段階では、1つ20ページ程度の事前リーディング課題が3~5つ与えられ、場合によっては事前収録の動画を見ておくことも求められます。非ネイティブの学生にとってはなかなか大変な作業で、予習には少なくとも3時間、多いときには半日費やすこともあります。事前に専門用語を理解し、論点を整理しておかないと基本的に授業についていけず、1コマ1時間を黙って聞いているだけになってしまい、自分の中に知識が蓄積されません。私もコース開始当初は予習が不十分で授業の内容が理解できなかったため、結果として後から授業の収録動画を見返したり予習課題を読み返したりと、本来は不必要な作業に時間をかけてしまいました。大量の英文を読みこむことは大変ですが、事前に授業を1つ受けるつもりで取り組むことが求められます。

ディスカッション中心の授業はさらに大変で、自分の意見を英語で、かつそれなりに流暢に話せるよう準備しておく必要があります。コース開始当初はなかなか発言ができず、肩を落としながら教室を後にすることが多かったです。英語教師だった祖父に励まされる夢を見たほど、かなり悩んでいたことを覚えています。ただ、機会を生かさないことには留学に来た意味がないので、あるときから開き直って「チャレンジの回数」を数えることにしました。前回は1回発言できたので今日は2回意見を言おう、この部分について必ず先生に質問しようなどと考えるようになってからは、やや間違っていると思う意見でも「ナイスチャレンジ!」と自分の中で思えるようになりました。うまく発言できなかったときはやはり悔しいですが、どこが足りなかったのか、次はどうすれば良いのか明確な課題が見えてくるので、経験を積み上げるうえで役立つ心構えになっています。

このほかには、定期的にゲストスピーカーによる特別授業が行われます。この授業は基本的にオンライン行われ、世界の大企業の幹部の方や専門家の先生の話を聞くことができます。通常の授業で教わったことを踏まえて話を伺うと、知識を実務に応用するイメージが湧きますし、現場の体験談を踏まえて新しい視点を持てるようになります。

提出課題を通じて知識を定着させ思考を深める

本稿執筆時点で、すでに2つの課題を提出しました。1つはグループで授業内容の考察を動画でまとめるもの、もう1つは個人で統計分析をレポート化するものでした。グループワークは5人1組で国籍も年齢もばらばらのグループで行いました。良くも悪くも職業経験の有無は課題の進め方に如実に表れ、こちらの意図がなかなか伝わらずに苦労することもありました。ただ、2週間のグループワーク期間の中でゴールから逆算して取り組むこと、感覚だけを頼りに表現するのではなく明確な数字の根拠を取り入れることなど粘り強く説明した結果、徐々に理解してもらえるようになりました。反対に、学部から進学したクラスメイトからは若い感性を生かした提案をもらい、最終的にはそれぞれの持ち味が生かされた動画に仕上がりました。また、自分の意見を伝えるために、事前に伝えたいことをファイルにまとめて共有する方法をとっていました。こちらはかなり評判が良く、非ネイティブという不利な立場でもどのように価値発揮するかを考えることで、様々な貢献のしようがあることを学びました。

もう一つの個人ワークは、短期間に大量のデータを集めて分析してレポートにまとめる必要があったため、とても1人では対応できず最終的に同じクラスの3人と共同作業することになりました。beoで受けたセミナーで、課題に取り組む時は自主的にグループを組むことがよくあると言われていましたがまさにその通りで、こちらも留学生活を乗り切るために工夫できる点はたくさんあることを身をもって知りました。全員で土日深夜関係なく情報収集や議論を重ねた結果、何とか締め切りに間に合わせることができました。

多くの授業で3,000単語ほどのレポート提出を求められる状況下では、自分で時間を管理するスキルが非常に重要になります。実際に前回の課題提出の際には、体力的にかなりきつく、最後は風邪をひきながら徹夜作業になるという失敗をしてしまいました。そのような中でも課題に取り組む際は、各授業の担当の先生が非常に親身になって相談に乗ってくださっています。例えばService Managementの授業では、毎週オフィスアワーとしてオンラインで直接先生に相談する機会があるので、この時間に向けて作業を進めているところです。グループワークにも言えることですが、個人の作業といえどもうまく仲間を作りながら課題を進めることが大切だと認識しています。

読んでくださった皆さまへ

覚悟は決めていたものの、実際に英語で海外の学生と一緒に授業を受ける時の緊張感はかなり大きなものがあります。以前beoで大学教授によるモデル講義に出席したことがありますが、そういった機会を生かして早い段階でイメージをつかんでおかれると現地での授業で戸惑うことは少なくなるかもしれません。どのように授業についていくか、自分の価値を発揮するか、留学前にご自身なりの作戦を立てて、様々なチャレンジをしてくださればと思います。

最後に近況として、タイと日本の友人とエジンバラ宮殿に行った時の写真をご共有します。今年の春に亡くなったフィリップ殿下の特別展がちょうど開催されていました。幼少期から晩年のお写真や思い出の品を見ていると、自然と感情移入して、長年にわたって国に貢献されたことに敬意を覚えるばかりでした。

エジンバラ大学について

エジンバラ大学(The University of Edinburgh)は1583年に設立された歴史のある大学で、スコットランドの首都エジンバラにキャンパスを置きます。QS World University Rankings 2022では、世界16位に選出されたイギリス名門大学で、自然科学の分野でスコットランド最大規模の学部を有しています。同大学では300以上のコースが提供され、なかでも会計学、考古学、経営学、英語・英文学、工学、哲学、心理学などの25分野で高い評価を得ています。留学生の数も多く、国際色豊かな環境で学習することができます。コースは、教育水準がイギリス最高レベルと認識されている言語学や、100年以上の歴史を誇るスクールで学ぶMBA(経営学修士)、国際・ヨーロッパ政治、環境と開発などが支持を得ています。