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【連載:留学体験談】大河内洋介さんが語る「30代からのビジネススクール留学体験」⑥失敗も悔しさも糧にして(2学期開始時の様子)

大河内 洋介(おおこうち・ようすけ)さん

2021年秋からイギリスのエジンバラ大学ビジネススクール修士課程マネジメントコース「MSc in Managementに留学中。

エジンバラ大学へ留学中の大河内さんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!今回は、『失敗も悔しさも糧にして』というタイトルで、2学期開始時の様子について詳しくお伝えします。
大学院留学をご検討中の方やエジンバラ大学に興味がある方はぜひお読みください。

現地から留学体験レポートをお届けします!

皆さん、こんにちは。7月からエジンバラ大学ビジネススクールに留学している大河内洋介です。先月の体験談でお伝えし忘れたのですが、年が明けたタイミングで先生方とコースの仲間にデジタル年賀状を送りました。日本の文化を興味深く感じてもらえたので、引き続きコースで唯一の日本人として自国のアピールをしたいと思います。さて、1月の中旬から2学期が始まりました。今回は、いよいよ修士論文執筆に向けた準備が本格化する中での学問の状況をお伝えします。

戦略的に履修科目を変更する

今学期の授業はすでに9月に登録を済ませていましたが、4つの登録科目のうち2つについて履修変更しました。第2回目の体験談で、後からの変更はできないとお伝えしてしまったのですが、きちんと変更が必要な理由を意思表示すれば可能でしたので訂正させてください。

変更の理由は3つあります。1つは、1学期の授業を通じてサービス産業と人材マネジメントをより深く学びたいと感じたことです。特にサービスマネジメントのクラスが非常に面白く、他科目に比べてアイデアが湧いてきやすいこと、自分の適性に合っていることを発見しました。思い返しますと、公務員とコンサルタントというサービス産業に意識することなく携わってきたので、自分の経験から理論を理解しやすいことが大きな理由のように思います。また、あまり得意でない数値分析が少ない点も隠れた魅力になっています。

2つ目の理由は、評点においてグループワークの占める比率が低い点です。私の場合はあまり共同作業が得意でないこと、個人ワークと同じくらいの作業量にもかかわらずコミュニケーションのストレスが大きいことから、なるべく回避したいと考えていました。また、仲の良い友人たちが同じ科目を履修することも、都度助け合えるという点できっかけにはなりました。

そして3つ目には、1学期の授業を通じて優先順位の付け方を工夫する必要性を痛感したことです。1学期には、せっかくの機会なのでと苦手な分析のクラスを履修しましたが、提出課題の作成にものすごく苦労しました。そもそも日本語でも理解しにくいことを英語で学ぶことのハードルは思いのほか高かったです。その中で、私の最優先事項を検討したところ、納得できる修士論文を仕上げることが最も重要であることに気付きました。これまでの職業経験と大学院での学びを結晶化したものとして、後から読み返しても自信になるような実績を残したいと思います。

授業は月曜日から木曜日まで1~2コマずつあり、金曜日は友人とのグループワークに充てています。本来の科目選択の方法に照らすとやや不真面目な理由に思われるかもしれませんが、適切な妥協のように思います。時間という大切な資源を、ゴール達成に向けてどのように効率的に使うか考えることも含めて、自己責任であるとの認識です。

自ら先生に相談する機会を作る

1学期は留学前に思い描いていたほどはやり切れず、かなり不完全燃焼感がありました。特にほとんどすべての授業や課題を受け身の姿勢でこなしてしまったことで、思ったほどは知識が積みあがっていないことに気付きました。そうした反省を踏まえて、今学期は自分から先生に相談に行く機会を増やすようにしています。授業内容自体に大きな不満はないものの、基礎知識からインプットするという趣旨から総花的な内容にならざるを得ず、関心のある分野について深める機会や実務への応用をじっくり検討する場面は少ないという実態があります。依頼をすれば1対1で話す機会を作ってくださり、対話を通じて修論につながるテーマを見つけたり、より関心を深めたりできています。

また、学生が利用できるサービスについて、今さらながら改めて積極的に活用するようにしています。会議室の予約システムや各種サイトの有料サービスなど、もっと早くに知っておけば良かったと思いつつ、使えるものは最大限活かすつもりです。

授業の予習復習については、修士論文を意識した形になりつつあります。今のところ、企業文化について研究する予定で、特に関連のあるテーマの回では指定された文献以外にも自分で参考になりそうなものを見つけて読んでいます。

修士論文については、次回以降で詳しくお伝えする予定ですが、差し当たっての締め切りは3月中旬のリサーチ・プロポーザルの提出です。論文のテーマ、論点、リサーチの方法などを大学に示す必要があります。同時に指導教官の希望も提出するので、先生方の研究実績を見てご関心分野と私の研究分野に関連がありそうな方を中心に研究室を訪問しています。この時期から早めに動いている学生とそうでない人との差が明確に出始めており、ここでも時間の使い方を自分で設計する重要性を実感しています。

仲間との週末飲みでストレス発散!

1学期は6科目の中から4科目を選ぶ形でしたので、全く履修科目が違う学生はいませんでしたが、2学期は履修の選択肢が増えた分1回も授業で会えない友達もいます。特に仲の良い韓国と香港の友人とは、学習状況や就職活動の進捗共有を兼ねて、毎週末飲みに行くことになりました。前回は日本料理屋に行きましたが、かなり日本の味を再現されていて懐かしく嬉しい気持ちになりました。今週は韓国の友人おすすめの韓国料理店に行く予定なので今から楽しみです。

1年間という長丁場を乗り越えるには、気の置けない仲間との交流はとても大切だと思っています。思うようにいかないことがあっても、定期的に心を許して話せる時間を持つことで、明日への英気を養うことができています。

読んでくださった皆様へ

私にとって初めての海外留学での1学期は、文字通り試行錯誤の時期でした。うまくいかないことや悔しい気持ちになったことは数えればきりがありませんが、それらを糧として、2学期は少しスピードを上げて前進できていると思います。なるべく多くの皆様に留学を追体験いただけるよう、引き続き執筆しますので、ぜひご自身が留学される際にはこうしよう等、計画を立てるうえでの参考にしてくださればと思います。
最後に、2月に入って雨が多かったのですが、珍しくすっきり晴れて嬉しかった日の写真をご共有しますね。

エジンバラ大学について

エジンバラ大学(The University of Edinburgh)は1583年に設立された歴史のある大学で、スコットランドの首都エジンバラにキャンパスを置きます。QS World University Rankings 2022では、世界16位に選出されたイギリス名門大学で、自然科学の分野でスコットランド最大規模の学部を有しています。同大学では300以上のコースが提供され、なかでも会計学、考古学、経営学、英語・英文学、工学、哲学、心理学などの25分野で高い評価を得ています。留学生の数も多く、国際色豊かな環境で学習することができます。コースは、教育水準がイギリス最高レベルと認識されている言語学や、100年以上の歴史を誇るスクールで学ぶMBA(経営学修士)、国際・ヨーロッパ政治、環境と開発などが支持を得ています。