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【連載:留学体験談】イギリスで翻訳者として活躍する先輩が語る「留学生活から現地就職まで」⑤就活を振り返ってPart 1~採用方法、スケジュール、おすすめ就職エージェントをご紹介~

Yoshida Daikiさん

2021年9月からイギリスのリーズ大学修士課程「Professional Language and Intercultural Studies MAに入学。2022年9月に同コース卒業後、6月よりアルバイト勤務していたイギリス現地の法律事務所にて翻訳者として従事。

リーズ大学を卒業されたYoshidaさんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!

今回は、卒業後にイギリスの法律事務所でJapan Team Assistantとして働く吉田さんにイギリスでの就職活動のリアルをお伝えいただきます。

大学院留学をご検討中の方や卒業後のキャリアについて知りたい方はぜひお読みください。

現地から留学体験レポートをお届けします!

皆さん、こんにちは。早いものでイギリスで現地就職をして半年以上が経ちました。半年たってもまだまだ慣れない文化や日本との働き方の違いに驚くことばかりです。今回はイギリス大学院を卒業後に現地就職した私がイギリスでの就職活動についてお伝えします。

現地就職を可能にするGraduate visa

数年前まで留学生は、イギリス大学を卒業後は、学生ビザから就労ビザに切り替えるためにスポンサーになってくれる企業を探すことが大変厳しく、現地に残って就職する選択は現実的ではありませんでした。

しかし2021年7月以降にイギリスの大学、大学院を卒業した留学生は、専攻内容に関係なくGraduate visaに応募することができ、卒業後2年間(PhDの場合は3年間)、イギリスに滞在し、その間の就職活動が認められました。

就職方法その①競争率の高いイギリスの新卒採用

イギリス版マイナビのTargetJobsの調査によると学生が就職したい企業ランキングのTOP5は下記のように公開されていました。

ランキングでは世界的に有名な大企業がトップを占めていますが、こういった大企業で採用されているのが、Graduate ProgrammeやGraduate Schemeと呼ばれるいわゆる新卒採用です。これから卒業する新卒生向けに、研修制度のようなものを提供する形で、学生を採用します。研修生としての採用なので、初めの雇用期間は通常1から2年間ほどですが、研修制度を無事に終了したら、そのまま正社員として雇用されます。

審査の流れは日本の新卒採用とほとんど同じで、学生は書類審査や、適性検査、オンライン試験、3回程度のインタビューを受けるという特にユニークな特徴などはないのですが、倍率が非常に高く、ネイティブの学生でも苦戦することで有名です。ちなみに私のイギリス人の友人は50社ほどGraduate Programmeに応募したそうですが、1社からも合格をもらえなかったとショックを受けていました。

イギリスの新卒採用の倍率が高くなるもう一つの要因として、学生は大学での専攻内容に関係なく、企業のGraduate Programmeに応募できることが挙げられます。そのため、採用時は「大学で何を学んだか」ではなく「どのような経験をしてきたのか」が重要視されます。大学で良い成績を取ることは素晴らしいことではありますが、逆にこれだけだと企業は評価しません。インターンシップやアルバイトなどの就労経験(イギリスは新卒採用であっても、就労経験が求められます)、ボランティアやサークルなどの課外活動に力を入れた学生が内定を取りやすいので、留学前、留学中に履歴書に載せられる経験をできる限り積んでおくことをおすすめします。

就職方法その②就職エージェントを利用した中途採用

上記のとおり、イギリスにおける新卒採用は非常に倍率が高いので、中途採用も視野に入れて就職活動されるのが得策です。特に日本人であれば、日系企業への就職もおすすめです。イギリスにはたくさんの日系企業のイギリス支社やヨーロッパ支社があり、日本人の現地採用も頻繁に行われております。下記にて私も実際に使用したイギリスの日系企業転職で有名な就職エージェントを紹介します。

就職活動のスケジュール感

現地就職を希望する場合は、上記で説明した2つのどちらの方法の場合も、とにかく早めに動くことが鍵です!特にGraduate Programmeを狙う場合は、卒業する一年前に応募することが一般的です。例えば、2023年8月卒業である場合は、1年前の2022年10月には企業への応募を開始する必要があります。また前述したとおり、Graduate  Programmeは非常に人気があるため、応募が殺到し、予定よりも早く募集が締め切られてしまうことが多いです。

一方中途採用であれば、卒業の3か月前を目安に就職エージェントに登録するなど、具体的な活動を開始してください。通常、現地の日系企業はすぐに働ける人を雇用したがりますので、卒業が近くなったタイミングのほうが就職エージェントから求人を紹介してもらいやすいです。また学生ビザの有効期限内は雇用しない企業も多いので、Graduate visaに切り替わる1月まではアルバイトでの生活も視野に入れておいた方がいいかもしれません。

キャリアセンターを最大限に活用

日本の大学にも存在するかと思いますが、イギリスの大学にもキャリアセンターがあります。キャリアセンターは基本的に無料で利用でき、留学生向けのキャリアサポートも充実しています。私も実際に何回かキャリアセンターへ相談をしに行って、履歴書のチェックや模擬面接、1対1での就職相談、キャリアイベント情報の提供など、幅広くサポートしてもらえたので、大変助かりました。

またキャリアセンターのウェブサイトでは、その大学の学生しか見ることが出来ない求人が掲載されており、一般公開されていない募集枠を見つけることも出来ます。ちなみに私はここから現在の内定先を見つけました。

読んでくださった皆さまへ

今回はイギリス大学院卒業後の現地就職についてお伝えしました。就職活動は競争率が高く、厳しい面も正直多いです。また日本での就職活動ですら大変なのに、それより大変な海外で就職できるのかと不安に感じる人もいると思います。しかし、この私ですら出来たように、留学後もきちんと挑戦し続ければ不可能ではありません。何よりこの記事を通じて、卒業後も現地で残って働いてみたいという読者の皆様に、勇気を出してもらえれば幸いです。
次回は、私のイギリスでの社会人経験について、書きたいと思います。お楽しみに!

リーズ大学について

リーズ大学(University of Leeds)は1904年に設立された大学で、イングランド北部リーズにキャンパスを置きます。QS World University Rankings 2023では、世界TOP100に選出されたイギリス名門大学で、研究部門を強みとするイギリス名門校群「ラッセル・グループ」に所属しています。学生数39,000人以上の大規模校で、137か国から学生が集まる「留学生に人気な大学」としても有名です。分野は翻訳・通訳学に特に権威があり、イギリス国内で数校のみ開講している「日英翻訳」に特化した科目が人気を集め、これまでに多くの日本人留学生を受け入れてきました。