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【連載:留学体験談】 サウサンプトン大学工学部で空気力学を学ぶ!③実習や実験に明け暮れた1学期目の時間割を公開

この記事を書いた人

Kobori Takatoshiさん

2023年9月よりイギリスのサウサンプトン大学修士課程「MSc Aerodynamics and Computationコースに留学中。
皆さん、こんにちは。サウサンプトン大学の修士課程で空気力学を専攻しているKoboriです。

今回の記事では最初の学期(セメスター1)で学んだ講義についてご紹介していきます。学校選びの参考にしていただけると幸いです。

セメスター1の時間割を公開

留学を開始して最初の学期ということもあり、ワクワクとドキドキが混じっていたのですが、時間割を見たときの感想は「意外と暇かも?」というものでした。週によって少し違う場合もありますが、基本的には空き時間も多く、1コマも45分です。

ただ、慣れない英語でレポートを書くのは思ったよりも時間がかかります。そもそも日本語でも理解できるか怪しい講義を英語で理解する必要があるので、授業の無いときは大体図書館に籠って勉強をしています。講義自体は興味のある内容なので、学ぶことは苦ではありません。

続いてセメスター1で学んだ各講義について簡単にご紹介していきます。詳しい内容は大学のコースページから見られるので、気になった方はぜひ見てみてください!

空気力学の講義の内容は?

Data-driven Fluid Mechanics(データを活用した流体力学) 実験やコンピュータによる流体シミュレーションから得られたデータを使用し、流れの分析の仕方を学んでいます。例えばデータから主要な挙動を抽出したり、データと支配方程式を関連付けて足りない箇所のデータを補ったりということを行います。基本的には講義のみで進みますが、PythonやMATLAB*を使用する実習が3週間に1回あります。(* 数値解析ソフトウェアおよびプログラミング言語)

ちなみに、この講義は月曜日の朝イチと金曜日の最後のコマという、何とも微妙な時間帯にあるため、教授たちも「僕らが希望したわけではないからね!!」と言って学生と一緒に嘆いています(笑)

Turbulence(乱流)

流れには、規則正しくきれいに流れている層流と乱れた流れの乱流があり、目には見えませんがそれらは身の回りに溢れています。非常に複雑な分野ではありますが、その乱流の基礎について学ぶのがこの講義です。複雑な方程式がたくさん出てくるのではと身構えていましたが、物理的事象を理解することに重きを置いているため、講義では方程式の意味などをしっかり説明してくれます。

Race Car Aerodynamics(レーシングカーの空気力学)

名前の通りレーシングカーの空気力学について学ぶ講義で、私がサウサンプトン大学を選んだ理由の1つでもあります。レーシングカーのウイングやアンダーフロアなどに取り巻く空気力学について物理的に学ぶため、理解していくのがとても楽しいです。

講義がメインですが、風洞実習が1回あり、そこでは実際にF1で使われていた模型を使用して実験を行いました。サウサンプトン大学にはイギリス国内の大学が保有する風洞の中でも最大級であるR.J. Mitchell Wind Tunnelがあります

実際に受けてみて、サウサンプトン大学を選んでよかったと思いますし、講義がセメスター1のみなのが残念です。 また、特別講演として、 フェラーリのF1チームで空力部門の責任者を務めたことのあるWillem Toet氏のお話を聞くことができ、非常に勉強になりました。

Aerothermodynamics(空気熱力学)

この講義では熱力学と流体力学をかけ合わせて圧縮性の流れの基礎を学びます。流体には圧縮性があり、自動車などの速度が低いものは周りの流れを無視して非圧縮性として扱えますが、飛行機などの速度になると圧縮性を無視することが出来なくなります。最初はゆっくり進んでいると感じたこの講義ですが、進むごとに複雑さが増しており、ペースも上がってきているような気がします。正直、試験前の復習がかなり大変になりそうです。

Application of CFD(CFDの実用方法)

コンピュータを使った流体解析である、CFD(Computational Fluid Dynamic、数値流体力学)について学びます。 講義では解析内で行われている計算について学び、実習では実際にANSYSというCFDソフトを使用してその設定方法などを学びます。 成績は管内流れと翼回りの流れをCFDで解析するという2つのレポートで評価されます。留学開始後に初めて取り組んだのが管内流れのレポートだったため、英語で専門的なレポートを書く難しさを実感しました

読んでくださった皆さまへ

今回はセメスター1の講義について簡単にご紹介しました。

課題をこなすのは辛いですが、どの講義も興味のある空気力学に関することなので、楽しく勉強できています。空気力学に興味がある人はぜひサウサンプトン大学を検討してみてください!

サウサンプトン大学について

サウサンプトン大学(University of Southampton)はイギリスの名門大学群のラッセルグループに所属する大学。イングランド南部の海沿いの街、サウサンプトンに位置し、立地を生かした海事学や工学、理系科目では特に高い評価を得ています。同大学のキャリアセンターでは学生の起業を積極的に支援し、UBI Globalによるランキングでは新規事業の立ち上げに最も貢献したイギリスの大学に選ばれています。