B
B
E
E
O
O

【連載:留学体験談】クリエイティブライティング(詩の創作)を学びにイギリスへ!⑥ストライキとともに始まる新学期、ロンドンへの小旅行で気分転換

K・Hさん

2022年9月からイギリスのイーストアングリア大学修士課程「MA Creative Writing Poetryに留学中。

イーストアングリア大学へ留学中のK・Hさんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!

今回は新学期が始まった様子について詳しくお伝えします。

大学院留学をご検討中の方やイーストアングリア大学に興味がある方はぜひお読みください。

現地から留学体験レポートをお届けします!

みなさん、こんにちは。ノリッチでは本格的な冬が終わったようで、徐々に凍てつく寒さから、心地の良い寒さへと変わっています。今月は新学期の授業の様子や、ロンドンへの旅行についてお伝えしたいと思います。

ストライキの影響を受けながら新学期スタート

長い冬休みが明け、新学期の準備をしていたところ、他の学生からどうやら教員のストライキが起こるらしいという噂を聞きつけました。どのようなものかと調べようとしていたところ、さっそく受講する授業の教授からメールをもらい、ストライキでキャンセルされる2月の授業についての連絡が入りました。

前学期もストライキでお休みになった授業があったのですが、一コマ分だけだったので著しく勉強に影響が出ることはありませんでした。しかし、ちょうど2月の始まり頃に大学内の資金運用問題が発覚し、教員の給与や人員カットなどの宣言が挙げられました。そのため、教授も学生もたくさんの不安を感じ、教員の待遇に抗議するストライキがより一層激しく行われるようになり、現在も続いています。

私の授業も2月は半分ほどおやすみになり困っていますが、学生だけでカフェで集まり勉強をしたりして補っています。学生の学びをサポートし、豊かにしてくださる先生、教授方に正当な給与と待遇があることがあたりまえの状態に一刻も早くなることを願っています。

ロンドン旅行で気分転換

今月は、日本に住む友人がロンドンに遊びに来ていたので、彼女に会いにロンドンへ出かけました。ノリッチから電車で二時間ほどかかるロンドンには、このような機会がない限りあまり行かず、とても楽しみでした。

私が住むノリッチは、こぢんまりとしていて安全で、必要なものはほとんど揃うので何不自由なく日々生活しているのですが、美術館や博物館などの文化施設があまりありません。そのため、ロンドンに行くときは、たくさんある美術館や博物館へ行くのが大きな楽しみの一つです。

実は、UEAに決める前にロンドンの中心部にある大学院も検討していたのですが、そちらを選んでいたら毎週遊んでばかりで、あまり勉学に身が入らなかったかもしれません。

友人とはトラファルガー広場で待ち合わせをし、出会ってすぐにナショナルギャラリーへ向かいました。ナショナルギャラリーは入場料が無料で、2300点以上の作品を所蔵している、大変大きな美術館なので、一度では決してすべてを見ることはできません。

一人で静かに見に行く美術館もとても楽しいですが、友人と行き、気がついたことや気になったことを話し合いながら鑑賞するのもとても良いものだと思いました。

 

このロンドンの旅は、とてもイギリスらしい観光になりました。普段生活していると、売っているのは知っているけれど、わざわざ食べない料理がフィッシュ・アンド・チップスです。私も一度しか食べたことがなく、せっかくなので、パブに入って食べてみることに。

カジュアルなフードスタンドでは、魚のフライとチップス(アメリカ英語で育った私はいまだにフレンチフライと呼んでしまいます)のみの場合が多いですが、ここではムッシーピーズ(mushy peas)が付け合わせででてきました。エンドウ豆をゆでて潰し、塩コショウで味つけたもの(生クリームやバターをいれるレシピもあるようです)なのですが、私はどうもこれがおいしいと思えず、好きではありません。

久しぶりに私の前に登場したエンドウ豆と対峙しながら、よく英米児童文学で嫌われ者として描かれていることが多いことを思いだしました。日本では、ピーマンが同じように描かれていることが多いのかなと思います。

幼いころ、私の食卓にはほとんどエンドウ豆が登場したことがなく、絵本ででてくるエンドウ豆を一種のモチーフとして楽しんでいたのですが、こうして実際にでてくると、イギリスやアメリカの食卓にエンドウ豆は頻繁に登場する野菜なのではないかと思います。

気になって図書館にエンドウ豆がモチーフになった作品を探しに行くと、嫌われ者としてだけではなく、様々な描かれ方がされていたので、エンドウ豆はイギリス・アメリカ人にとって、とても親しみのある野菜なのかもしれません。

話は逸れてしまいましたが、ロンドンへ行くと、ノリッチのような小さな街にはないお店をたくさん見かけます。その中でも多くの日本企業があり、ユニクロや無印良品はロンドンでも見かけますが、街を歩いていてcoco壱番屋を見つけたときには写真をとってしまうほど喜んでしまいました。お店はたくさんのお客さんでにぎわっていました。

イギリスで人気な日本食にもちろんお寿司は入っていますが、次に人気な料理はカツカレーかもしれません。レストランのメニューで多くみかけますし、スーパーマーケットでは自宅で作るカツカレーセットのようなものも売っています。同じフラットの友人もカツカレーのおいしさと感激を私に写真を見せながら伝えてくれたこともあります。

様々な人種や文化が入り混じるロンドンはレストランの種類も豊富で、街を歩いてメニューを覗いてみるだけで、その地区の傾向がわかるのもおもしろいです。

読んでくださった皆さまへ

久しぶりの友人と会い、美術館もめぐり、おいしいものも食べ、たっぷりと息抜きができたロンドン旅行となりました。

留学期間ももう折り返し地点となり、修士論文や就職活動への取り組みや、少し不安定な大学の様子などもあり、焦りや不安が出てきてしまうのも自然なことです。今回の旅行のように、楽しみにできることを作ったり、日本の友人と電話をしたりして必要以上にストレスを感じないように過ごしています。

楽しいことも身になることもたくさんの留学生活ですが、どんな日常でも難しいことや大変なことはあります。私が好きな息抜き方法は、一人でおいしいお茶を飲みに、カフェに行くことです。

今月は、ちょうどバレンタインの日に、ノリッチの大聖堂にお出かけをしに行き、併設しているカフェでバレンタイン仕様のハートのドーナツを食べました。日常の小さなところで幸せを見つける大切を常に感じています。大聖堂のカフェには、勝手に入ってきて、暖房の上で温まる猫ちゃんもいましたよ。

イーストアングリア大学について

イーストアングリア大学(University of East Anglia)は1963年に創立された、イギリスのトップ大学の一つ。多くの研究分野での高評価はもちろん、学生満足度が高い点でも知られています。教育・研究については「創造」を重視しており、2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏をはじめ、数多くの著名な卒業生がいます。