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【連載:留学体験談】中明日香さんが語る「コロナ時代イギリス留学のリアル」⑥
勉強への取り組みと成長を感じた1年

キングストン大学『社会学・国際関係学』へ留学

キングストン大学(Kingston University London)は、1992年に設立され、ロンドン郊外に4つのキャンパスを置いています。大学ランキング「2021 Guardian University Guide」で、イギリス大学の上位40位に入りました。とくにデザインや教育、薬学、生物科学、看護学などの分野で高い評価を得ています。キングストン大学には16,785名の学生が在籍し、そのうち、3,680名が留学生(2019年)です。国際色豊かな環境で学習することができます。

beo留学サポートをご利用いただき、2020年秋より同大学で社会学・国際関係学を学ばれている中明日香(なか・あすか)さんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします。(第一回はこちら 、第二回はこちら、第三回はこちら、第四回はこちら、第五回はこちら

キングストン大学について
もっと詳しく

中 明日香(なか・あすか)さん

キングストン大学
学士課程 社会学・国際関係学(Sociology and International Relations BSc(Hons))へ進学
*2022年以降はSociology BSc (Hons)として開講予定です。

こんにちは。今回はイギリスで大学1年生が終わりましたので、多くの大学留学を希望する方が疑問に持つと思われる勉強面を中心にお話ししたいと思います。学習内容は学ぶ分野や学校によっても異なると思いますので、私の経験は参考程度になるといいかと思います。

オンライン/ブレンドラーニングの授業

私の通うキングストン大学は、ファッションや音楽などの芸術分野から私の学ぶ社会学や法科学まで幅広く様々な専攻分野がありますが、今のパンデミックの影響で、2020年からのこの1年は学ぶ分野によって登校頻度などが異なりました。

私は社会学と国際関係学を専攻していて実験などがないため、ほとんどの授業がオンラインで行われました。最初の2ヶ月程度はまだコロナの規制が緩和されていたためブレンドラーニングという形で対面とオンラインの授業が交互に行われ、その後ロックダウンになってからは1学年終わるまでずっとオンラインでの授業でした。

やはり対面であった方が生徒同士のディスカッションもできるので授業内容の理解も深まるとともに友達もできやすいと感じました。一方でオンラインだからといってこれといって困ることはなく、プレゼンテーションなども留学前にbeoで受講していた大学進学準備コース(IFY)のコースでやったようにできたので、IFYがとても役に立ったと思います。

大学のコース課題とグレード(成績)

グレードのつけ方はコースや学校によって様々ですが、私の場合は課題が100%でした。そして私の専攻ではテストはなく、すべてレポートやエッセイが課題でした。エッセイの内容は、 “比較をする”というものが多く、そのトピックは何個か先生が出したものから選ぶことができるので、自分の興味のある分野を深く掘り下げて学ぶことができました。例えば国際関係で私の選んだトピックの1つは、「反植民地主義と国家主義を比べて1200語で書く」というものでした。他にも、社会学では「SNSと社会学者ゴッフマンの生み出したドラマツルギーの相違点を述べる」などがお題のエッセイを書きました。

不思議と英語で学んでいると、第一言語であるにもかかわらず日本語で説明する方が少し難しく感じますが、このようなエッセイを書くにあたって大事なことは自分の考え方をいかに正当化するかということです。そのため、同じお題で書いていても他の学生と内容がかぶることはほとんどなく、結論すらもそれぞれ書く人によって異なります。ある授業中に例として出されたエッセイの結論は、私と同じお題で書かれているのにもかかわらず全く異なり、視点によってこんなにも違うのかと驚くとともに他者の見解を伺うことができてとても興味深いと感じました。

このように先生は正解よりもそれぞれの生徒の思考力をジャッジするため、参考文献等のルールにはとても厳しく、私も事実一度引っかかってしまいました。参考文献のルールに引っかかると私の学部では課題評価が0点になるようになっていますが、今回は1年目の最初の課題であったということが考慮され、元の点数の40%の評価となりました。その後はより参考文献に気を使いながら課題をこなしています。

課題をこなすにあたっては、進め方のステップを先生が丁寧に説明したり、上級生が以前取り組んだ課題をもとにコツを教えてくれたりなどのサポートがあったので、そこまで苦にはなりませんでした。1年目のサポートがとても良く行き届いていた分、来年度への不安も少しありますが、この休暇期間中にその不安を取り除けるように勉強したいと考えています。

このように主に大切になるのはエッセイやレポートなどの課題ですが、クラスごとに毎週読むべきテキストや見るべき動画があり、その基礎知識を踏まえた上で授業に取り組む形になっています。またそれと同時に自分の読みたいところだけ読んで良いものも出されるので興味のある分野の学習を深めるにはとても効率的だと思います。自分の読みたい本は、学校で管理されている様々な文献にアクセスできるサイトから、更に探すことができます。

さまざまな授業のスケジュール

授業のスケジュールは、私は月曜日から金曜日まで毎日1から3コマありましたが、他の学部の友達で週に授業が3回しかない子もいたので人それぞれだと思います。1コマの時間数も私は90分ですが実験などのある専攻の学生だと150分などでした。

学校生活に不可欠の学校専用アプリ

授業の詳細、スケジュール、課題提出など、大学専用のアプリで確認や管理をすることができます。アプリの内容をいくつかお見せします。

スケジュールは学校専用のアプリ内で管理されており、そこで生徒はスケジュールを把握します。画像は、ある日のスケジュールです。

取得科目のダッシュボードからは、それぞれの科目の詳細が見ることができます。そこから、課題の提出をしたりオンラインクラス参加のURLを確認するなど勉強する上でのプラットフォームになります。

課題提出のトップページです。これは”Aid and Developmentについてどのようなpolicyをあなたなら作りますか?”という問いに答えるレポートの提出の画面です。とても難しかったですが、深く考えさせられ、たくさん調べて学びが多い課題でした。

ロンドンならではの多文化・多言語環境

私の学部にはロンドン出身の生徒が多くいますが、その中でもそれぞれの背景は異なり、親が移民の子も多くいます。年齢層も様々なので、私より年下の人もいれば自立した子供を持つ親もいます。またアジア人はほとんど学部内にはいませんでしたが、先日図書館でコピー機の使い方を聞いたスタッフがたまたまアルバイト中の日本人生徒でした。校舎内や寮内では、英語ではない言語を聞くこともあるのでやはり多文化、多言語が共存している学校であることを感じられました。

成長を感じた1年

課題が出るのはだいたい学期末なのでその時期は朝から晩まで毎日課題に没頭していましたが、それ以外は基本的に余暇の時間が多く自分の好きなように時間を使えました。日本で大学生をしている実家暮らしの友達と比べると、家事なども全て自分になりますし自由は全て自己責任なので大変な部分もありますが、その分の成長を感じています。

また異国の環境の全く異なる地で1人で出てきて無知で始めるからこそ、周りの人への感謝自立が求められます。私はこのパンデミックの影響もあり人と関わることが難しい年でしたが、その分学校の先生やチューターへの助けを求める機会も多くありました。この1年で人に助けを求めることを私は覚えました。1人でできることは限られていて、人と関わることで何かが生まれ、自身も成長できると体感しました。

あっという間にこの3年間の大学生活が終わるのかと思うと日々大切に時間を送りたいと思わされます。2年生はパンデミックが少しでも収まりより充実した大学生活を送れることを祈っています。