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【連載:留学体験談】イギリスで翻訳者として活躍する先輩が語る「留学生活から現地就職まで」⑧イギリス企業って実際働きやすいの?日本とイギリスの働き方や労働環境の違いも解説

Yoshida Daikiさん

2021年9月からイギリスのリーズ大学修士課程「Professional Language and Intercultural Studies MAに入学。2022年9月に同コース卒業後、6月よりアルバイト勤務していたイギリス現地の法律事務所にて翻訳者として従事。

リーズ大学を卒業されたYoshidaさんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!

今回は、卒業後にイギリスの法律事務所でJapan Team Assistantとして働くYoshidaさんにイギリス企業で働いてみて感じたことについてお伝えいただきます。

イギリスでの現地就職を希望している方やイギリスの企業カルチャーについて知りたい方はぜひお読みください。

現地から留学体験レポートをお届けします!

皆さん、こんにちは。イギリスでは日照時間が伸び、気温も暖かくなってきました。春の気持ちの良い天気が続き、気分も爽快です。今回は私がイギリス企業で実際に働いてみて感じたイギリスの職場環境について、日本との違いも解説しながらお伝えしたいと思います。

自由度の高い働きやすい環境、でも日本の真面目さが恋しくなることも?

イギリスの会社に実際に勤めてみてまず感じたのは、働き方がかなり自由であるいうことです。特にコロナ以降、日本と同じようにイギリスでもテレワークが広く普及しましたが、私の会社ではコロナが終息した後も在宅勤務を基本とし、オフィスに出社することが求められていません。もちろん企業によってルールが異なるとは思いますが、働き方に対してフレキシブルに対応してくれていると感じています。勤務時間中も紅茶やコーヒーを淹れる際に同僚と雑談したり、スマホをいじったり、家族と電話したり、犬の散歩に行ったり、散髪したりなどかなり自由です。

日本よりも自由でリラックスした環境ではありますが、たまに日本人の真面目さが恋しくなるときもあります。イギリスの会社で働いていると、メールの返事がこない、納期を守らない、仕事をきちんと確認しないためミスが多い、といったことは日常茶飯事です。特にメールの返事が来ないことはしょっちゅうあり、何度も催促のメールをすることも…。

▲デスク周りの写真。壁には世界の主要都市の現地時刻が一目でわかる様に、時計がたくさんかけられています

残業なし!飲み会なし!

日本では、上司よりも先に退社しにくかったり、サービス残業が多かったり(最近は減ってきていると思いますが)することもよく聞きますが、イギリスでは、仕事が終わったら帰る、いわゆる定時退社が一般的です。またそれ以上に、家族の予定があるから午前中のみ仕事をしたり、小さい子供がいるから15時に退社したり、予定があれば好きな時間に仕事を切り上げることが出来ます(もちろん自分の業務範囲をきちんとできていることが前提です)。

また退社後の時間の過ごし方も自由で、日本の飲み会のような文化はありません。またあったとしても仲良しメンバーで飲みに行く程度で、1次会で終了です。日本では飲み会の誘いを断りにくいなんてこともあるかもしれないですが、イギリスでは断ったとしても誰も文句を言いません。逆に誘われる際に、「Don’t feel peer pressure(同調圧力を感じないで)」と言われるので、行きたくなければ参加しなくて大丈夫です。多くのイギリス人は退勤後の時間を自分の時間や家族のために使っています。

また、休暇取得に対する考え方も日本よりオープンだなと感じました。有給は自由に取得することが出来ますし、まとめて2~3週間ほどの休暇を取ることも可能です。特にホリデーシーズン(イースターや夏休み)には家族で海外旅行に行く同僚も多く、メリハリをつけて働いている人が多い印象があります。

ストレートに言いたいことを言い合える人間関係

会社での人間関係は正直、企業や上司、チームメンバー次第になってしまうので、「イギリスの会社」と一括りにすることは出来ませんが、日本の職場と比較するとコミュニケーションがより開かれていると感じます。

自分が納得できないと思ったら納得できないことをきちんと伝える、仕事を手伝ってもらったら感謝をしっかりと述べる、何か問題を抱えていて困っていたら遠慮せずに助けを求める、このようなことを声に出してコミュニケーションすることが出来ますし、またそうするように会社から指示されています。私はこの文化をとても気に入っていて、日頃の働き方で改善した方がいい点やフィードバックなども隠さず伝えてくれます。

またイギリス人の働き方は個人プレーが多く、自分の業務範囲が明確です。全く別のチームから仕事が振られたりすることはあまりなく、あくまでも決められた範囲内で仕事をこなします。そのため、皆で会社を盛り上げようという意識はありますが、個人プレーの上に成り立っているという感じがします。

社内イベントが盛りだくさん!

イギリスの会社は、クリスマスを最も大きなイベントとして、盛大にお祝いします。クリスマスパーティーではみんなでドレスアップしてレストランで食事し、会社にはクリスマスツリーを飾ります。日本の忘年会がイギリスではクリスマスパーティーに該当すると思います。去年のクリスマスでは、会社からクリスマスギフトを貰いました。中にはコーヒーやお菓子など、美味しいものがたくさん入っていて、テンションが上がりました。

またクリスマスとは別に、会社が主催した食事付きの競馬観賞やお泊り会など、日本では見かけないようなイベントも盛りだくさんで、他の社員と交流できる機会も豊富に設けられています。

▲会社からもらったクリスマスギフト

▲食事会

▲競馬鑑賞イベント

読んでくださった皆さまへ

今回はイギリスの会社に実際に働いてみて感じた、日本の働き方との違いについてお伝えしました。ただ、イギリスの会社といっても、一概にまとめることは出来ず、会社によって異なるところもあると思うので、あくまで一例としてお楽しみください。日英それぞれで働き方のメリット・デメリットがありますが、イギリス企業の働き方のほうが私の性格には合っているなと感じています。

次回はイギリス最大の遊園地、Alton Towers(日本でいう富士急ハイランド)で遊んできた様子をお届けしたいと思います。お楽しみに!

リーズ大学について

リーズ大学(University of Leeds)は1904年に設立された大学で、イングランド北部リーズにキャンパスを置きます。QS World University Rankings 2023では、世界TOP100に選出されたイギリス名門大学で、研究部門を強みとするイギリス名門校群「ラッセル・グループ」に所属しています。学生数39,000人以上の大規模校で、137か国から学生が集まる「留学生に人気な大学」としても有名です。分野は翻訳・通訳学に特に権威があり、イギリス国内で数校のみ開講している「日英翻訳」に特化した科目が人気を集め、これまでに多くの日本人留学生を受け入れてきました。