Ishii Ryunosukeさん
2022年9月からイギリスのSOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)修士課程「MSc Development Economics」に留学中。
SOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)へ留学中のIshiiさんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!
今回は、進学先の決定方法について詳しくお伝えいただきます。
大学院留学をご検討中の方やSOASに興味のある方はぜひお読みください。
現地から留学体験レポートをお届けします!
皆さん、こんにちは。SOASでは3月末に修士課程の授業が全て終わり、4月は1ヶ月間、課題と期末テストへの準備期間となっています。3月末はプレゼンや課題で疲弊しきっていたクラスメイトもなんとかひと段落し、だんだんと暖かくなってきたロンドンで残りの課題やテスト勉強に勤しんでいます。
本日は、進学先の決め方についてお話しします。4月は多くの方がオファーが出そろい、様々な条件の中で最終進学先を選ぶ時期だと思います。そんな皆様に少しでも参考になる情報をお伝えできればと思います。
進学先決定の際に重要な要素
進学先を選ぶ際に最も大切なことは、そのコースが自分に取って一番合っているかどうかだと思います。特に修士課程は1年間しかなく、限られた時間の中で限られた科目を履修することになるので、自分に取って必要だと思う内容がそのコースでしっかり学べるかは非常に重要です。
ではどのようにコース同士を比較するかですが、今回は私が専攻している「開発経済学」でSOASのコースとサセックス大学のコースを比べてみます。
コース内容
まずはコース内容を比較します。私が実際にSOASとサセックス大学のコースの内容を比較した際に、大きく異なる点があることに気づきました。サセックス大学にはDevelopment Macro/Microeconomics (開発マクロ/ミクロ経済学)が必修にある一方で、SOASでは純粋なMacro/Microeconomics (マクロ/ミクロ経済学)となっていました。これはサセックス大学では、より開発分野に特化した経済学を学び、SOASでは広義の経済学を学ぶ可能性が高いと言うことです。
大学で4年間経済学をしっかり勉強した人には、SOASの経済学よりもサセックス大学の方がより専門的で、学びたいものに近い可能性がある一方で、私のように学部はリベラルアーツでそこまで専門的に勉強していなかった人には良い基礎作りになると思います。
また、SOASでは基礎的なMacro/Microeconomics (マクロ/ミクロ経済学)などの必修は基本的に、環境経済学や経済学を専攻している学生と一緒に勉強するため、開発経済学以外の知り合いを作ることができます。
このようにコースで開講される科目をしっかり確認し比較することで、どちらがより自分の希望に合っているかを判断していくことができます。
必修科目の数
次に比較するポイントは必修科目がコース全体のどのくらいを占めているかです。サセックス大学は必修科目は8科目ある一方で、SOASは6科目です(両コースともに修士論文を除く)。より自由に自分の興味分野に合わせて科目を履修したければ、必修が比較的少ないコースを選び、しっかりとその分野の専門性を高めたければ必修科目がコースの大半を占める大学を選ぶといいと思います。ただ、どのコースも必修の数が大きく変わるわけではありませんので、参考程度に考えておくと良いと思います。
▲サセックス大学
▲SOAS
私はリベラルアーツ系の大学で、専門を深めるというよりは広範的に金融やマネージメントなど様々な分野を履修し学んでいました。そのため、開発経済学を学びたい一方で、しっかりとした経済学の素養が欲しいという思いがあり、一足飛びに開発経済学を履修するのではなく、経済学が必修となっているSOASを選びました。
ただ、良い意味で想定と異なっていたのは、基本的なミクロ/マクロ経済の授業でも教科書通りのことをやるわけではなく、Global South(アフリカ、アジア、南米などの途上国・新興国)における経済学という視点を入れる授業や課題が多いように感じました。これは学生の多くがGlobal Southの地域から来ていて、大学の先生の研究対象もそういった地域に集中していることが多いからだと思います。
大学・コースの雰囲気
雰囲気に関しては大学のホームページだけではなかなかわからないので、実際にその大学に通っている人に聞いてみたり、SNSやブログなどで発信されているものをチェックしたりするのが参考になると思います。私はイギリスに学部留学していた友人がいたので、色々と話を聞きました。また、知り合いからさらに知り合いを紹介してもらい、オファーをもらっている大学に以前通っていた方ともお話ししました。知り合いの中には入学前にFacebookなどでコンタクトを取り情報収集をしていた人もいました。
大学の雰囲気と言ってもコースによって大きくことなることが多いので、できれば自分が進学予定のコースについてしっかりと調べられると留学後のギャップを小さくできると思います。ある特定の国や地域の学生にとても人気のコースで、自分以外のほとんどの人がその地域から来ていて、驚いたという話も聞いたことがあります。
また私はSOASで経済学でのコースの他に開発学のコースでオファーされている授業を取っているのですが、雰囲気は割と異なります。経済学のコースでは多くが社会人経験者で、かなり落ち着いた雰囲気の方が多い印象でした。一方で開発学のクラスでは、人数も経済学より多く割と学部生から来た人が多いような印象を受けました。
大学やコースの雰囲気に関しては、一定の傾向はあっても実際に来るその年に受講する学生の属性によって大きく異なると思います。実際に行ってみて例えギャップがあったとしても、それもまた留学の醍醐味として楽しみ、自分なりの留学生活を築くことが大切だと思います。
読んでくださった皆さまへ
私の場合、最終的な進学先を決定するまでに2ヶ月ほどかかりました。調べれば調べるほど、SOASもSussexも魅力的に感じ、特に科目の構成には頭を悩ませました。できればどちらの授業も取りたいと思うほど、双方に魅力的な先生方がいて、さらに授業の内容が素晴らしかったので、決めきれませんでした。ただ、最終的には前述したとおり自分の中で、経済学のベースをしっかりと作りたいという思いがあったことから最終的にSOASに決めました。
大学の選び方は人それぞれで、何に重きをおいているかで異なってくると思います。あくまで私のものは参考程度にして、様々な情報を複合的に考えて最終的に判断を下すとよいと思います!
SOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)について
SOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)は、その名が示す通り、アジア・アフリカ分野を特化した高等研究機関で、多くの大学ランキングで世界トップ級の評価を得ています。教鞭を執る教師陣の多くは各分野を最先端で研究する専門家。キャンパスは大都市ロンドンの中心にあり、英国博物館も目と鼻の先というロケーション。学内の施設で特徴的なものは、なんといってもアジア・アフリカ研究で世界有数の図書館。蔵書数が150万冊を超え、専門学習には最適な環境が整っています。
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