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【連載:留学体験談】大河内洋介さんが語る「30代からのビジネススクール留学体験」⑨番外編!留学Q&A~ご質問にお答えします~

大河内 洋介(おおこうち・ようすけ)さん

2021年秋からイギリスのエジンバラ大学ビジネススクール修士課程マネジメントコース「MSc in Managementに留学中。

エジンバラ大学へ留学中の大河内さんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!    

今回は、留学体験談の番外編として、大河内さんにゲストスピーカーとしてご参加いただいた、先日5月11日開催の留学イベントにて参加者の方より出された質問に対して、改めてご回答していただきました!
質問のパートは、「渡航準備」「英語力・プリセッショナルコース」「新型コロナウイルス感染症/ワクチン接種」「授業・勉強」「就職活動」「現地生活」「ネットワーキング」の7編に分かれています。
大学院留学をご検討中の方やエジンバラ大学に興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

  

現地から留学体験レポートをお届けします!

皆さん、こんにちは。7月からエジンバラ大学ビジネススクールに留学している大河内洋介です。
先日のbeo主催ウェビナーでは、今年留学を検討されている皆さんからのご質問に回答しました。当日はかなり駆け足で回答してしまったのと、これまでの体験談でフォローできていない情報もたくさんあったので、今回はウェビナーでいただいた質問を中心に私の答えをお伝えします。

渡航準備編

Q1.

渡航後にあればよかったものなどありますか。

       

A. 日本で売っている漢方が私には相性が良いのですが、イギリスでは売っていませんでした。常備薬は多めに持っておいた方が安心かと思います。また、まれに現金しか使えない店(特に、個人経営のお店)があるので、1ヶ月あたり£40~50くらいは持っておくと安心です。

Q2.

持っていかなくてよかったものは具体的にどんなものがありますか?

       

A. 何を勘違いしたのかスーツを2着、ワイシャツを5枚ほど持ってきましたが、完全に失敗でした。どのように現地で過ごすかにもよるかもしれませんが、学内の活動のみであればフォーマルな服装を求められることはありません。

Q3.

エジンバラは寒いと思いますが、持っていった方が良いウォームグッズはありますか(ホッカイロは英国で買えないとか)?

       
   
         

A. 日照時間は短いものの意外と寒くなく、日本の冬の方が寒いです。その基準でお考えください。

Q4.

スマートフォンは現地調達ですか?それともSIMロック解除して日本から持っていかれていますか?

       

A. SIMロック解除したものを日本から持っていきましたが、SIMカードとの相性が悪いせいか使えませんでした。そのため、止むを得ず1万円くらいのスマホを購入しました。現在は通信料月£7.5(2GBプラン)のみかかっています。大学や寮はどこでもWi-Fi接続できるので、よほど出歩くということがない限り、2GBで十分のように思います。なお、私はTESCOという現地スーパーが出しているTESCO Wi-Fiを使用しています。

Q5.

渡航初日になくて困ったものはありますか?寮には何もないイメージなのですが・・・

       

A. あまり困った記憶はありませんが、バスタオルとパジャマはあった方が安心ですね。他の消耗品(シャンプー、歯ブラシなど)はスーパーで簡単に手に入ります。

英語力・プリセッショナルコース編

Q1.

授業についていくために、勉強面で渡航前にやっておくべきこととしてはどんなことがありますか?

       

A. 専門科目の勉強は不要だと思います。専門性は大学院で身に着ける前提でプログラムが組まれているためです。それよりも、英語で会話できるように準備しておかれた方が良いと思います。プリセッショナルコース(事前英語準備コース)も含めて、授業では初回から英語でのディスカッションが行われます。予習の読書やエッセイ執筆は辞書を引きながらでもできますが、英会話はその場でやり取りしないといけないので、これができないとどうにもなりません。beoのコースやオンライン英会話、英語の映画視聴でもなんでも良いので、可能な限り英会話力は上げておいた方が良いと思います。授業が始まってからは、なかなか腰を据えて英語だけを勉強するのは難しいものとお考え下さい。

Q2.

大河内さんはpre-sessionalコースからということですが、本コースに進学できるかどうか不安になったりはしませんでしたか?(自分は緊張しています)

       

A. 本コース進学については確かに不透明な部分があります。実際に本コースに進めなかった方も残念ながらいらっしゃいます。予防策としては、先生に都度評価を聞くことや、提出課題があるので計画的に進めることかと思います。また、前述のとおり可能な限り英会話力は高めておいた方が良いです。日本で英会話の準備をしておけばおくほど、不合格のリスクは下がるとお考え下さい。それでも、採点過程は非公開なので、リスクはあるものと認識したうえで、万一の場合のプランは考えておいた方が良いと思います(社会人の方は、退職や休職交渉を円満にしておくなど)。

Q3.

英語力が不安ですが、授業にはついていけますか?

       

A. 前述のメッセージとやや矛盾しますが、卒業できればそれで良いということであれば何とかなります。時間さえかければ個人課題は仕上がりますし、グループワークではお互いに助け合えるためです。ただ、現時点でそこまで低い目標設定の方はいらっしゃらないと思うので、ぜひ可能な限りで渡航前に英会話力は上げておいてください。

新型コロナウイルス感染症/ワクチン接種編

Q1.

留学生が現地でコロナのワクチン接種をする際に、手続や接種場所等に支障ありましたか?

       

A. 私の場合は特に支障はありませんでした。予約することなく、会場に飛び込みで行ったらすぐに接種を受けられました。

Q2.

イギリスはコロナの規制を全て撤廃したと聞きましたが、学校でコロナが発生した場合どうなるのでしょうか?

       

A. 最新の情報は不明ですが、昨年秋に一緒に食事した方がコロナに感染したことがありました。その際には、所定のフォームに入力して、大学当局からの指示に従ってPCR検査を受けました。陰性との判定が出るまでは寮に待機でした。コロナに関する規制は常に動いている前提で、最新の情報は大学のウェブサイトなどで確認しておかれると良いと思います。また、エジンバラ大学の場合、入学後は適宜大学からメールで案内が届きました。
※新型コロナウイルスへの対応や接種については、ウェブサイトや大学への問い合わせを通じて、公式情報を常に確認しておいてください。現地で生活していても、結果として公式ガイドラインに沿って動くことになるためです。beoからのご案内も適宜あるかと思いますが、情報収集から感染後の対応までは、どうしても自己責任で行わざるを得ない部分かと思います

授業・勉強編

Q1.

授業の収録動画は、どの授業について見ることができますか?

       

A. エジンバラ大学の場合、すべての授業のすべての講義が録画されているので視聴可能です。授業終了後から2日以内を目安にアップロードされます。また、先生に個別に相談すれば、対面授業でもリモート参加可能な場合があります。つまり、体調が優れない等の理由で対面講義を休む場合でも寮から視聴することができます。

Q2.

情報整理にあたってKindleや、EndNote(資料保存に便利と聞きます)は使っていますか?

       

A. 特に使っていません。大学からの推薦もないので、私の場合はパソコンのフォルダ内で整理しています。

Q3.

1日の生活の流れはどんな感じですか?大学院での勉強の時間は、1日どれくらい取っていますか?

       
   
         

A. 朝方なので4時~5時には起きます。すぐに勉強を始めたりニュースサイトを読んだりして、7時くらいから寮のジムで運動します。その後は勉強や食事、買い物などをしています。図書館の部屋を予約して友人と勉強することもありますね。
その他には、週に1度は友人と飲み歩いています。勉強時間は10時間くらいでしょうか。夜更かしは苦手なので22時頃には寝てしまいます。

Q4.

もし複数校受験されていれば、最終的に今の大学院に入学を決められた理由は?また、その理由に関して、実際に入学した後の印象は?

       

A. 合格校の中で、ビジネススクールランク最上位の大学院を選びました。入学後の印象は、国籍に一定の偏りがあること(中国の方が約3分の1、インドの方が約5分の1)、22~24歳の若い学生が多いことがイメージとの違いでした。

就職活動編

Q1.

1年間のMSc(ビジネス系)に進む場合、就職活動はどのように進めていくべきでしょうか?

       

A. 私は現地就職は考えていませんが、周囲の学生の状況を見る限りでは、最難関戦略ファームやBig 4などを狙う学生は12月ごろから出願準備を始めていました。倍率がそこまで高い企業でなければ、4月ごろから順次始める人が多い印象です。なお、エジンバラ大学の場合は、9月のコース開始当初から就活セミナーが続々と開催されたので、そちらを取捨選択しながら受ければまず問題ない印象でした。個人的な感覚としては、ビジネススクールの就活支援はかなり手厚いです。

Q2.

就職活動に関連して、イギリス現地就職されるクラスメイトはどの程度いらっしゃるのでしょうか。また、日本人の現地就職の難易度は?

       

A. これは完全に人によるとしかお答えのしようがないですが、私の周りではまずは現地就職の可能性を探る人が多いです。日本人という理由で就職難易度が変わるという話は、特に聞いたことがありません。

現地生活編

Q1.

大学の学生寮ではなく「民間企業経営の学生寮」に入られたのはなぜですか?空きが無かったからでしょうか?

       

A. 希望する大学寮に入れなかったので自力で探しました。民間サービスは様々なものがあり、中には詐欺まがいのものもあるので注意が必要です。私もある民間サービスに会員登録をした後、ある寮について「興味あり」ボタンを押した瞬間に担当者からWhatsAppで連絡がきたことがあります。何回かやり取りした後、急に連絡がつかなくなったので少し怖くなりました。そういったトラブルを防ぐために、エジンバラ大学ではお薦めの民間サービスを紹介してくれているので、皆さんが入学される大学が発信する情報もチェックしておかれると良いと思います。

Q2.

授業も普段の生活も、もはやポストコロナのような感じでしょうか?

       

A. おっしゃる通りです。ほとんど日常が戻っていて、街中でマスクをしている人はほとんど見なくなりました。大学も含めて、屋内でもマスクは不要になっています。

Q3.

美容院は行っていらっしゃいますか?その際はどのように美容院を探されましたか?価格はどれくらいでしょうか?

       

A. 2ヶ月に1回ほど通っています。日本と比べると特に男性カットはかなり大雑把なので、そのつもりでいてください。私の場合は、treatwell(ホットペッパービューティーのようなサイト)から評価の高い店を選びました。カットで£19です。

Q3.

しょうゆやみそ、お米はいくらぐらいするのでしょうか。

       

A. Amazon UKで検索すると商品と値段が出てくると思いますが、現地スーパーの価格とだいたい同じ印象です。お米は普通のスーパーではほとんど売っていないため、中国食材のスーパーか通販で買うことになります。

Q4.

寮生活で困ったことはありますか。

       

A. 私の寮は受付の皆さんが親切なので、その点では大変助かっています。Amazonの荷物は受付で預かったうえで、到着したことをメールで知らせてくれる(画像参照)ので、留守にしていても問題ありません。また、Uber Eatsなどの宅配サービスは、到着したら配達員の方が電話で知らせてくれるので、寮にいても注文できます。

   

一方で、壁が薄いので隣の部屋の音漏れにはずっと困っています。以前深夜3時に大騒ぎしていたので、さすがに頭にきて注意したら少しましになりました。ごみの処理については、受付から何回注意されてもごみ袋を閉じない人がいるようで、ねずみが発生したそうです。
毎週月曜日に火災報知器の作動確認があるのですが、予告なくビービー鳴り始めるので今でもびっくりします。共用スペースのジムは、たいてい使いっぱなしの状態で器具が散乱しているので、運動前にまず片付けから始めます。
ただし、今でも不快に思うことはあるものの、慣れなのか耐性がついたのか、入寮直後ほどのストレスは感じなくなりました。

ネットワーキング編

Q1.

30歳前後で大学に入学予定ですが、年齢が異なることによるコミュニケーションが取りづらいことなどありますか?

       

A. はい、あります。特に私のコースは22~24歳くらいの院生が多いので、社会人経験の有無から常識やコミュニケーションの取り方に対する感覚の違いを感じています。ただし、同じように社会人留学している院生もいるので、そういう方と主に仲良くして楽しく過ごしていますね。また、そもそも同時期に仲良くできる人数の上限値が人それぞれにあると思いますが、上限値分の気の合う人はどのコースでも見つけられる気がします。私の周りで「友達の数が少なくて不満である」という話は聞いたことがないためです。

Q2.

コロナ禍でもクラスメイトと仲良くなれますか?ネットワーキングできますか?

       

A. 問題なく可能です。大学もそのあたりはよく理解してくれていて、9月のはじめにはウェルカムイベントで街歩きをしたり、サークル紹介などが行われました。講義はハイブリッド方式が採用されており、教室に行けばクラスメイトに会えます。また、特にグループワークを通じて親交を深めることになりますが、そちらも対面でのやり取りが多いです。それ以外にも、各学期終了後にはパーティーなども開催されたり、何かとソーシャルイベントがあったりと、ネットワーキングの機会は確保されていると思います。機会はあるので、なにしろ友達を早く作ることをおすすめします。講義の課題は量が多いため、その際には個人ワークであっても友達と協力しながら進めた方が良い場合があるためです。私も去年の定量分析のクラスは、膨大な情報収集と分析が必要だったので、友人3人とグループを組んで取り組みました。あれがなければ単位を落としていた可能性があるので、本当に助かりました。なお、初めて声をかけるときのおすすめの話題は、日本から来たこと(日本人が少ないので珍しがってもらえる)と好きな漫画・アニメの話です。外国の皆さんは日本の漫画を非常によくご存知なので、すぐに打ち解けられますよ。

Q3.

サークルには所属していますか。

       

A. 私は所属していません。去年9月の勧誘イベントには行きましたが、1年間の修士コースと両立するのは難しいと判断しました。主に学部生の方はぜひ飛び込んでみてください。

読んでくださった皆様へ

今回はQ&A方式で、こちらでの暮らしについてお伝えしました。
渡航前は何かと不安になることも多いかと思いますが、来てしまえば何とでもなる印象です。現在はほぼすべての規制が撤廃されて問題なく過ごせます。PCR検査やブースター接種などの医療体制もしっかりしているので、多くの方にとってはコロナが留学をためらう理由にはならないと思います。
外部の環境や大学の受け入れ態勢は整っている前提で、今一度なぜ留学したいのか、留学を通じて何を得たいのかをご自身に問いかけるのが良いのではないでしょうか。

エジンバラ大学について

エジンバラ大学(The University of Edinburgh)は1583年に設立された歴史のある大学で、スコットランドの首都エジンバラにキャンパスを置きます。QS World University Rankings 2022では、世界16位に選出されたイギリス名門大学で、自然科学の分野でスコットランド最大規模の学部を有しています。同大学では300以上のコースが提供され、なかでも会計学、考古学、経営学、英語・英文学、工学、哲学、心理学などの25分野で高い評価を得ています。留学生の数も多く、国際色豊かな環境で学習することができます。コースは、教育水準がイギリス最高レベルと認識されている言語学や、100年以上の歴史を誇るスクールで学ぶMBA(経営学修士)、国際・ヨーロッパ政治、環境と開発などが支持を得ています。

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