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【連載:留学体験談】クリエイティブライティング(詩の創作)を学びにイギリスへ!⑩多言語詩の朗読会への参加とカズオ・イシグロの小説の聖地へのお出かけ

K・Hさん

2022年9月からイギリスのイーストアングリア大学修士課程「MA Creative Writing Poetryに留学中。

イーストアングリア大学へ留学中のK・Hさんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!

今回はK・Hさんが6月に参加した詩の朗読会やカズオ・イシグロの小説の聖地へのお出かけについてお伝えします。

大学院留学をご検討中の方や大学院生活に興味がある方はぜひお読みください。

現地から留学体験レポートをお届けします!

みなさん、こんにちは。最近イギリスでは暑い日が続いております。梅雨の季節がなく乾燥していて過ごしやすい気候ですが、多くの建物にはエアコンがありません。一番暑い日中は体力を温存するべく、静かに図書館などで過ごしています。今回は詩の朗読会への参加やカズオ・イシグロの小説の聖地に訪問したことについてお伝えしたいと思います。

クラスメイトが主催する多言語詩の朗読会に参加

6月の頭に、友人が開催した詩の朗読会で、多言語詩を朗読する機会がありました。この友人は、私が在籍しているコースで出会い、私が英語と日本語で詩を書くのと同様に、彼女も英語とスペイン語の両言語で詩を書くことから意気投合しました。

ノリッチの街では頻繁に詩の朗読会などが行われているのですが、私は今回初めて参加しました。今回参加しようと思ったきっかけは、彼女が作り上げようとしていたのが「多言語詩だけの朗読会」だったからです。

多言語詩と触れ合うとき、両方の言語が柔軟に理解できるという読み手や聞き手は決して多くありません。「理解ができない部分」というのがどうしても存在します。私は自身の詩の創作で、言語を理解することはなにか、わかるということはどういうことなのか、ということを常々考えているのですが、私にとって多言語で書く詩は、理解という言葉の定義を広げることができるものだと考えています。

私は英語と日本語の両言語で書かれた詩、英語だけの詩の両方を朗読しました。この朗読会には、日本語とスペイン語以外にも、ヒンディー語、トルコ語、ギリシャ語、バスク語での朗読がありました。また、朗読だけではなく、ジャズの演奏などもあり、音楽と詩の両方楽しめる場でした。

私が在籍しているコースの9割の学生はイギリスの学生で、他の言語で詩を書く学生はほとんどいません。こういった場で、二言語、もしくはそれ以上の言語を行き来している詩人に出会えて本当によかったです。

友人がたくさんのこだわりを持って飾りつけた会場は大変美しく、また観客もとても温かく、このような場で朗読ができたことは大変良い経験になりました。普段は特に詩に興味がないという私の友人やフラットメイトも朗読を聞きに来てくれて、とても嬉しかったです。

カズオ・イシグロの「私を離さないで」に登場するクローマーへ

2学期が終わり、卒業制作の季節がやってきました。長いと思った留学ももう残り二か月で、あっという間に終わってしまうような気がします。この二か月の間に、卒業制作をし、イギリスでやりたいことを悔いがないようにやらなくてはいけません。

そこで、ひとまず私が住むノーフォーク州の海岸、クローマーへフラットメイトたちと遊びにいってきました。ノリッチから約1時間ほどで到着するクローマーに私はずっとここに行ってみたかったのですが、それには理由があります。

この海岸は、カズオ・イシグロの「私を離さないで」に登場する場所なのです。カズオ・イシグロはイーストアングリア大学の創作コース出身でもあり、私が大変好きな作家です。小説に登場する海岸が近くにあるということを知り、イギリス在住中に絶対にいってみようと思っていました。

 

駅について、近くのスーパーで飲み物やおやつを買い、早速海辺に向かいました。ピクニックシートを持って、足だけ海に入ったり、石を拾ったり、アイスクリームを食べたりして、穏やかに過ごしました。一緒に出掛けた友人たちは皆ちょうど卒業論文や卒業制作の真っ只中なので、少し離れて息抜きをするのことの大切さにも気がつけました。

イギリス人学生と留学生の半分ずつで構成されている私たちのフラットは、休み期間になるとイギリス人学生が、実家へ帰るため、とても静かになります。そして多くのイギリス人学生は学期が終わるとフラットを出てしまうので、6月末にお別れしなくてはいけません。クローマーへのお出かけの他にも、みんなで外でバドミントンをして遊んだり、お別れパーティーを開催したりなど、たくさんの楽しい予定を詰め込みました。

授業がなくなった今の時期は、アドバイザーとの面談以外には、一人で勉強に取り組まなくてはいけません。図書館に足を運び、ひたすら文献を読み、書くことは大切なことなのですが、どうしても行き詰まってしまいやすい時期でもあります。あんまり集中していると、「一日誰とも話さなかったな、」といった日も多くあるため、遊ぶ予定や楽しい予定をつくることによって、メリハリをつけた日々にしたいと思います。

 

読んでくださった皆さまへ

6月は詩の朗読会やクローマーへのお出かけなどリフレッシュできる機会に恵まれました。

その一方で、イーストアングリア大学、特に芸術と人文科学のコースは大変不穏な状態です。大学が抱える経済的クライシスを改善するため、現在の理事長等が教職員の解雇を推し進めていて、特に芸術と人文科学の教授たちがターゲットとなっています。世界的にも大変質の良い学びが得られることで有名なこの大学のクリエティブライティングコースには、私の尊敬する教授、素晴らしい学びを提供してくれている先生がたくさんいます。未来のクリエィティブライティングを学びたい学生のためにも、私は反対の意思を表明することを続けています。

次回はスペインのタラゴナにて参加するWriting Retreat(執筆合宿のようなもの)についてと、翻訳のサマースクールについてお伝え出来たらいいなと考えています。お楽しみに!

イーストアングリア大学について

イーストアングリア大学(University of East Anglia)は1963年に創立された、イギリスのトップ大学の一つ。多くの研究分野での高評価はもちろん、学生満足度が高い点でも知られています。教育・研究については「創造」を重視しており、2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏をはじめ、数多くの著名な卒業生がいます。

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