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【連載:留学体験談】大河内洋介さんが語る「30代からのビジネススクール留学体験」⑫志高い挑戦者たちへ(1年間の留学生活の総括)

大河内 洋介(おおこうち・ようすけ)さん

2021年秋からイギリスのエジンバラ大学ビジネススクール修士課程マネジメントコース「MSc in Managementに留学中。

エジンバラ大学へ留学中の大河内さんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!
今回は、『志高い挑戦者たちへ』というタイトルで、1年間の留学生活の総括をお伝えします。
大学院留学をご検討中の方やエジンバラ大学に興味がある方はぜひお読みください。

現地から留学体験レポートをお届けします!

皆さん、こんにちは。去年の7月からエジンバラ大学ビジネススクールに留学している大河内洋介です。8月の下旬に帰国して、新生活の準備をしながらこちらの原稿を書いています。最終回である今回は、1年間の留学生活を振り返って今感じることを中心にお伝えします。

戸惑いも乗り越えながら、留学先で出会った友人との時間を楽しむ

留学して最も意外だったことは、コースの国籍の偏りです。去年7月から参加してプリセッショナルコース(事前英語準備コース)では半数以上が中国の方で、9月からの本コースでは3名に1名が中国の方、5名に1名がインドの方でした。また、修士コースでは学生の年齢層も若く、多くは20代前半から中盤の学生でした。社会人経験が全くない学生もおり、ときにコミュニケーションを取りづらいと感じることがありました。

ただ、同級生として気を遣うことなく接してくれたことはありがたかったです。日本で同じ状況であればやや過ごしにくかったかもしれませんが、お互いをファーストネームで呼び合う文化も心の壁を取り払ってくれたように思います。若い友人の誕生日会に参加したり、一緒に飲み歩いたり、1泊2日の旅行にも行ってきました。勉強しに行った中で不真面目ですが、授業よりもそのような交流の方が実は思い出に残っています。皆様にはいち早く多くの友人を作って、留学先での楽しみを見つけていただきたいと思います。

コース内容の満足度は自分の取組みで高める

基本的に初学者を想定した授業内容でしたので、やや易しいと感じることはありました。英語なのでその分難易度は上がりますが、意味を理解してしまえば大して難しい内容を取り扱っているわけではないと気付きました。また、ケーススタディが思ったよりも少なかったこと、卒業論文は3ヶ月という短期間でしか取り組めなかったことは少し残念な点ではありました。ただし、先生方は質問に行けばいつでも相談に乗ってくださいましたので、自分なりに気になることや知りたい内容を明確にすれば、授業時間外でさらに知識を身に着けることができる環境でした。

毎学期末の提出課題は相当苦労しながら執筆しました。アウトラインを作成して先生に見ていただき、内容を合意したうえで必要な文献を読んでまとめるだけではありますが、英語のハードルは私にとっては高いものでした。また、作業を進めていくなかでもっと論じたいと思ったり、風邪をひいて作業できない日があったりと、当初の想定よりも時間がかかってしまいました。ほとんどの学生は締め切りぎりぎりで提出して何とか単位を取っていましたが、もっと効率よく進める方法はなかったかと今にして思っています。

なお、学内では様々なイベントが行われているので、ストレス発散に参加されると楽しいと思います。写真は今年のエジンバラ祭りの様子です。

勉強時間以外の「余白の時間」を埋める

コースはおそらく就職活動を並行して行う想定で、少し時間にゆとりのある構成になっていました。確かに授業に向けての予習や提出課題の作成は時間がかかりますが、それ以外の時間(冬休み、春休みなど)は特に何もしなくても問題なく、余白の時間がそれなりにありました。もし当時に戻れるなら、もっと友人と旅行したり、学部生時代に読めなかった本を読んだりすれば良かったと少し後悔しています。

一方で、なぜ今自分はエジンバラにいるのか、これからどのように生きていくのかという問いを立ててあれこれ考える機会は、時間があったからこそ持てたものと思います。結果として、「人間として正しいことを行う中で歓喜に満ちた世界を創る」、「正しい生き方とは人の喜びのために尽くすことである」という仮説を残りの全人生をかけて証明するという、やや仰々しい決心を固めることができました。

なお、現地就労を目指される方は、ビジネススクールの手厚い就労支援があるので安心してくださればと思います。なるべく早めに(できれば1学期中)に動いて、選択肢を多く持っておかれることをお薦めします。

留学という経験が人生の大きな財産に

いくつかの想定外の出来事や戸惑いはありつつも、振り返ると留学して本当に良かったと感じています。およそ1年前には考えてもいなかった経験をたくさんすることができ、30代も半ばにして遅い青春時代を謳歌できたように思います。

留学生活ではときに苦しいこともありましたし、イギリスの寒さと暗さは身に堪えるものがありました。その中で、友人たちとの交流や先生方からの励ましにどれほどの勇気をもらったか分かりません。異なるものを受け入れ、交わり合う仲間と環境に恵まれました。11月の卒業式での再会を今から心待ちにしています。

そして、世界のどこででも生きていける自信を持てたことは、世界が目まぐるしく変化する中で大きな財産と受け止めています。私の次の夢として、再度海外に留学することを思い描いています。

読んでくださった皆さまへ

1年間にわたってお届けした留学体験談は、今回が最終回です。まずは、遅筆の私を粘り強く支えてくださったbeoのアンバサダー担当の皆様に、御礼を言わせてください。

学生たちの背景や置かれた状況は様々でしたが、それぞれが高い志を持った挑戦者たちでした。留学を終えた今、不安と勇気を伴う挑戦は、人間としての成長を確実にもたらしてくれるものと実感しています。次なる挑戦者である皆様の志が果たされることを祈りつつ、ここで筆を置きたいと思います。ありがとうございました。

エジンバラ大学について

エジンバラ大学(The University of Edinburgh)は1583年に設立された歴史のある大学で、スコットランドの首都エジンバラにキャンパスを置きます。QS World University Rankings 2023では、世界15位に選出されたイギリス名門大学で、自然科学の分野でスコットランド最大規模の学部を有しています。同大学では300以上のコースが提供され、なかでも会計学、考古学、経営学、英語・英文学、工学、哲学、心理学などの25分野で高い評価を得ています。留学生の数も多く、国際色豊かな環境で学習することができます。コースは、教育水準がイギリス最高レベルと認識されている言語学や、100年以上の歴史を誇るスクールで学ぶMBA(経営学修士)、国際・ヨーロッパ政治、環境と開発などが支持を得ています。

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