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【連載:留学体験談】イギリスで翻訳者として活躍する先輩が語る「留学生活から現地就職まで」⑪番外編!留学Q&A~ご質問にお答えします~

Yoshida Daikiさん

2021年9月からイギリスのリーズ大学修士課程「Professional Language and Intercultural Studies MAに入学。2022年9月に同コース卒業後、6月よりアルバイト勤務していたイギリス現地の法律事務所にて翻訳者として従事。

リーズ大学を卒業されたYoshidaさんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします!

今回は、留学体験談の番外編として、beoのSNSアカウントやオンラインイベントでよくいただくご質問をYoshidaさんに答えていただきました!質問のパートは、「渡航準備について」「現地での生活について」「就職活動について」の3編に分かれています。
大学院留学をご検討中の方やリーズ大学に興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

 

渡航準備について

Q1.

留学をする上で、日本から持っていったほうが良いもの、また実際は現地生活等で必要なかったものがあれば教えてください。

       

A. 普段使っている薬は日本から持っていった方が良いです。もちろん現地でも薬を買うことは出来ますが、やはり日本の慣れ親しんだものの方が安心です。逆に持ってきたけれどそれほど必要なかったものは、衣類です。現地でも服は買うことが出来るので、最低限の下着や普段着以外は、そこまで大量に持っていく必要はないと思います。

Q2.

日本から持って行ったらよかったという家電などはありますか?

       

A. 特にありませんでした。イギリスでも日本で売っている家電を買うことが出来ます。ただ日本からイギリスへ家電を持っていくと、コンセントの形が合わないので、コンセントのアダプターだけは忘れないようにしてください。

Q3.

渡航前にできるだけ英語力を高めておきたいと思いますが、ご自身のイギリス留学経験の中で、特にどのようなスキルが必要だと感じましたか?

         

A. 英語面において、特に必要だと感じたスキルは、読む力と書く力です。やはり留学中は、大量の文献を決められた期間内に読む必要があるので、早く正確に読解する力が重要だと感じました。


またコミュニケーション能力も大切です。ここで言うコミュニケーション能力とは、単に英語力というよりも、ミスを恐れず、自分の英語を恥ずかしがらないで、現地の人と一生懸命に会話をする姿勢のことです。やはり留学中は、英語でディスカッションをする場面がたくさんあるので、単純な英語力に加え、そのようなマインドが大切になると思います。

Q4.

1年間の留学の場合は、現金をどの位用意しておけばよいでしょうか?

       

A.こちらは、留学の形式(大学院留学、学部留学、語学留学など)や、学校の学費、住む場所、その時の為替レートなどによって変わりますので、具体的な金額を答えることは難しいですが、私の場合、まず留学費用としては学費に350万円、1年間の家賃90万円と食費30万円、また1年間分の娯楽費に20万円分を用意しました。

ただし留学生活中に現金を使う機会はほとんどなく(イギリスではカード決済が主流)、ほぼすべてカードで支払っていました。特に便利なのが、ソニー銀行のSony Bank WALLETRevoltです。オンライン上で日本円をイギリスポンドに両替し、そのまま現地通貨で決済できるので、おすすめです。

Q5.

奨学金には応募されましたか?どのように探し、いつ頃申請されたか教えてください。

       

A. 奨学金には応募しませんでした。しかし私が調べた限りイギリス政府のChevening奨学金や、各大学が独自に行っている奨学金、また日本の政府や各財団が提供している奨学金など、意外と種類はありました。奨学金の締め切りはそれぞれ異なるようなので、beoの奨学金ページで確認してみてもいいと思います。また、奨学金を希望する場合は、IELTSの申請条件などがあるため、早めに準備することをおすすめします。

Q6.

学部時代のGPAはどのくらいで卒業しましたか?

       

A. 私はGPA3.5で卒業しました。イギリス大学院に出願をする際、学部時代のGPAが条件になっているところが多いですが、その条件を満たすことが出来なくても、志望動機書やこれまでの職務経験でカバーできる場合もあるそうなので、大学に問い合わせてみるのも方法かと思います。

現地での生活について

Q1.

イギリス生活でびっくりしたことはありましたか?

       

A. ストライキの多さです。電車はしょっちゅうストライキで止まっていました。また大学の授業も中止になることもありました。その影響で学期の合格発表が遅れ、大学が卒業式当日までに、卒業証書を用意することが出来ず、卒業式で仮の証書(証書が用意できなかったことに対する謝罪文)を貰いました(笑)。

Q2.

イギリスでは、アジアの人々に対するヘイトスピーチやヘイトクライムはありますか?

       

A. ほとんどありません。特に大学にはたくさんのアジア系留学生がいるので、そのような差別的発言は決してありません(もしそのような発言をしたら、ペナルティがあります)。ただ一度だけスーパーに行った際、駐車場で年配の女性に、「ライスクラッカー(せんべい)!」と叫ばれました(笑)。嫌な気持ちになったというよりは、驚きとその人自身の偏見に笑ってしまいました。

Q3.

現地で使うための携帯はどうされましたか?

       

A. SIMフリーの携帯電話を日本から持っていき、現地でSIMカードを入手しました。

Q4.

イギリスで留学生におすすめの携帯キャリアを教えてください。

       

A. イギリスの大手キャリアは、EE、Vodafone、O2、Threeです。最安値はThreeですがつながりやすさはEEが一番と聞きました。私はまずThreeでSIMカードを貰いました。このSIMカードは使用するデータをアプリ上で購入し、購入したデータを使い切ったら、データを追加購入できる、いわゆるチャージ形式です。店頭で契約をする必要はないので、渡航後にすぐに手続きを済ませたいという方におすすめです。

Q5.

渡英する際は日本の携帯電話回線はどうしましたか?

       

A. ほとんどの留学生は、日本の携帯を解約してからイギリスに来ていたようです。どうしても日本の携帯電話番号をキープしたい場合は、携帯会社に相談してみてください。

Q6.

現地での美容室の利用はどうされていましたか?

       

A. 現地には日本人向けの美容院があり、イギリスにいながら日本人が日本語で髪を切ってくれる場所もあります。私が留学していたリーズにも日本人向けの美容院がありましたが、現地の美容院と比較すると料金が高くなります。

Q7.

在学中にアルバイトを探すとしたら、おすすめの探し方やおすすめの業種はありますか?

       

A. 日本人留学生は、日本食レストランでバイトをしている人が多い印象です。また私の友人は、大学のキャンパス内のカフェでアルバイトをしています。学生にはカフェや飲食などのサービス業が働きやすいと思います。日本のバイト探しと同じように、現地でもIndeedなどの求人サイトが一般的に使われています。

Q8.

節約のために現地では自炊をしようと思うのですが、調理器具などは現地で購入するか、それとも簡易的なものは持参したほうが経済的ですか?おすすめの節約方法などあれば、教えていただきたいです。

       

A. 調理器具(包丁やフライパンなど)は現地で買うことをおすすめします。寮のコンロがIHで、せっかく日本からフライパンを持ってきたけれど使えなかったケースを見たことがあります。また100円ショップで売っている電子レンジでも使えるタッパーはかなり役に立ったので、日本からいくつか持っていくことをおすすめします(イギリスで購入したタッパーは溶けました)。また学生は安いスーパーに行って節約をしています。特にAldiやLidlが最安値でおすすめです。 

Q9.

現地生や他の国からの留学生と交流をもつために工夫したことはありますか?

       

A. ソサイエティ(サークル)に積極的に参加するようにしました。日本と同じように、イギリスの大学でも9月のはじめの頃に、ソサイエティの勧誘シーズンがありますので、この時期にいろいろ見てみるのがおすすめです。ソサイエティに参加すると現地生や留学生と交流する機会が格段に増えます。

       

また授業では、グループワークをする機会があるので、積極的に他の国の留学生とチームを組むことも心がけていました。さらに、リーズ大学の語学センターでは、学生同士でバディを組んで、言語交換をするプログラムがありました。

Q10.

ケガや体調不良、物損や盗難等で困ったことはありましたか?

       

A. 個人的には幸いにも留学中に怪我はしませんでしたし、体調不良もほとんどありませんでした。ただ友人がロンドンで携帯電話をすられていたので、盗難には注意した方がいいと思います。

Q11.

ビザの延長手続きで大変だったこと、不安だったこと、上手くいかなかったことなどあれば教えてください。

       

A. 特に大変だと感じたことはありませんでした。延長手続き(学生ビザの延長、学生ビザから卒業ビザへの切り替え)は、ネット上で完結するのでスムーズに行えました。

Q12.

イギリスの大学では自分の学部に直接関係する授業でないものも履修することはできますか(例えば国際関係学部に所属しながら心理学や経済学の授業を履修など)?

       

A. 大学や学部によりますので、大学に確認するのが安心です。リーズ大学には、自由に授業を決めることが出来るDiscovery Moduleと呼ばれる制度があり、それを活用して自分の専攻には直接関係ない授業を取っている日本人学生もいました。

就職活動について

Q1.

就職活動はいつから始めましたか?またインターンをされていた場合、どのようにインターン先を決めましたか?

       

A. 就職活動は、1学期が終了した頃(年明け)から始めました。イギリスではインターンシップに参加しませんでしたが、留学前に日本で参加しました。特に業界を絞ることはせず、気になるものがあれば応募していました。

Q2.

Graduate visaを取得してイギリスで働いてみようと思っています。このような方はどのくらいの割合でいらっしゃいますか?

       

A. 日本人留学生という点では、Graduate Visaを取得してイギリスで現地就職する人は、かなり少ないと思います。個人的な見解ですが、95%くらいの日本人留学生は日本へ帰国しています。単純にイギリスでの生活に満足したという方や、将来のことを考えたら日本がやっぱりいいという方が多い印象です。留学生全体という観点でも、Graduate Visaを取得して働く人は少数派です。特にインドやアフリカからの留学生はイギリスに残る方が多いイメージです。

Q3.

就職活動において、卒業された大学・大学院名が影響したと思われますか。また、ご留学経験をどのようにアピールされましたか?

       

A. イギリスで就職活動をした際、リーズ大学というネームバリューは影響したと思います。しかし日本企業に応募した際はあまり関係ないような印象を受けました。

       

留学生活でアピールした点は、主に大学での成績と修士論文の内容です。イギリスでは、大学の成績は、雇用主が就活生を評価する際に用いられる、大切な基準の一つです。「この科目ではこのような勉強をし、このくらいの点数を取りました」と実績と共にアピールしました。また修士論文では、自分がなぜこのようなテーマを選んだのか、どのように調査したのか、そして何が分かったのか等、自分の論理性と主体性を伝えることが鍵だと思います。

Q4.

留学前から、留学後を見据えて就職活動の準備をしていましたか?していた場合どのような準備をしていましたか?

       

A. 留学前に気になる企業の説明会やインターンシップに参加をし、情報収集をしました。特に留学生向けの就活サイト、帰国GO.comCFNが役に立ちました。

Q5.

就職先はどうやって見つけましたか?

       

A. 最初は、イギリスで日系企業の求人を多く持つ就職エージェントである、JAC RecruitmentPeople FirstCentre Peopleに登録をし、面談を設定してもらいました。またリーズ大学の学生は、在学生・卒業生のみに公開されている求人情報を、ホームページから見ることが出来たので、こちらも活用していました。ちなみに現在働いている会社もリーズ大学のホームページから見つけました。

Q6.

イギリスで働くのにGraduate visaがネックになると聞いております。イギリスで修士課程を修了しても同様でしょうか?

       

A. イギリスで働くには、就労ビザが必要になりますが、イギリスで修士課程を修了した場合、Graduate Visaに申し込むことが出来ます。このビザは、イギリスの大学を無事に修了することが出来た学生に、卒業後2年間(PhDの場合3年間)、イギリスに滞在することを認めます。この2年間は、就職活動、アルバイト、フリーランスなど、自由な形でイギリスに滞在することが出来るので、その間に就職活動をし、就労ビザを手に入れることが出来れば問題ありません(ビザの最新情報はこちらからご確認ください)。

読んでくださった皆さまへ

今回の記事では、Q&Aの形式で、皆さんからの質問について答えてみました。留学前、不安に感じる点はたくさんあるかと思いますが、覚悟を決めていざ来てしまえば意外と何とかなります。今回の記事で少しでも留学に対する不安や悩みを減らして、皆さんの背中を後押し出来れば幸いです。

リーズ大学について

リーズ大学(University of Leeds)は1904年に設立された大学で、イングランド北部リーズにキャンパスを置きます。QS World University Rankings 2023では、世界TOP100に選出されたイギリス名門大学で、研究部門を強みとするイギリス名門校群「ラッセル・グループ」に所属しています。学生数39,000人以上の大規模校で、137か国から学生が集まる「留学生に人気な大学」としても有名です。分野は翻訳・通訳学に特に権威があり、イギリス国内で数校のみ開講している「日英翻訳」に特化した科目が人気を集め、これまでに多くの日本人留学生を受け入れてきました。

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