【連載：留学体験談】イギリスで翻訳者として活躍する先輩が語る「留学生活から現地就職まで」⑫留学を通して変化した価値観や性格、得られたスキルとは？

Yoshida Daikiさん

2021年9月からイギリスのリーズ大学修士課程「Professional Language and Intercultural Studies MA」に入学。2022年9月に同コース卒業後、6月よりアルバイト勤務していたイギリス現地の法律事務所にて翻訳者として従事。

リーズ大学を卒業されたYoshidaさんからのリアルな留学体験談を連載でお届けします！

皆さん、こんにちは。最終回となる今回の記事では、1年間の大学院留学生活の総括をお届けしたいと思います。特に留学を通じて感じた成長や磨かれたスキルについてお伝えします。

留学生活中の困難を乗り越え、手に入れた積極性と物怖じしない精神力

まず、留学をしたことにより、自信がつき、精神的に強くなれたと感じています。

留学前、私は留学に対するわくわくと同じくらい、緊張や不安、悩みがありました。留学生活に対するイメージを勝手に作り上げ、不必要な不安やプレッシャーを感じていたからです。

例えば、「現地ではすべて自分で何とかしなくてはならない」「授業がとても難しくて卒業できないかも」「ホームシックになって日本に帰りたくなるかも」など、そもそも存在しない問題に勝手に一人で億劫になっていました。この時の気持ちを振り返ってみると、当時の悩みは本当に無駄だったなと感じます。

現地では、いろいろな人がサポートしてくれます。授業は確かに難しい部分もありましたが、クラスメイトと協力して、課題や試験の準備をすることで、無事に単位を取得することが出来ました。ホームシックになりかけた時は、留学先の日本人と一緒に過ごすことで解消することができました。就職活動の際も、リーズ大学のキャリアセンターの方が親身に相談に乗ってくれました。

このような経験を通じて、何か問題にぶつかっても自分自身で行動すれば、「結局なんとかなる」ということを学びました。そしてこの積み重ねた経験を基に、自ら積極的に行動していく力や少しの問題では動じない精神力を手に入れることができたと感じています。

日本の常識が通じない！？異文化や価値観の違いを受け入れながら磨かれた対応力

日本では当たり前だと考えられていることが、実は当たり前ではないと知る機会が留学生活ではたくさんありました。例えば、公共交通機関が時間通りに来ないことは日常茶飯事ですし、ストライキで全く運行しない日もありました。スーパーや小売店のサービスは最低限のレベルで、日本のような丁寧な接客はありません。またイギリスの生活費は高騰し続けており、現在とんでもないことになっています。

このような環境に身を置くことで、自分のこれまでの価値観は日本という特殊な場所で形成されたのだということに気がつきました。そして日本とイギリスの文化の違いに対して驚き、その度に文句や不満を述べていてもしょうがないことを悟ります。結果として、多様な文化や価値観を受け入れ、それに対して柔軟に対応していく力を身につけることが出来たと思います。

留学を終えた後、日本に一時帰国する機会があったのですが、そこで日本の素晴らしさを改めて感じました。第一に町は清潔で食事も美味しい、そして何より安全です。この環境がいかに恵まれているか、それは海外での生活を知ることで、はじめて実感することが出来たと思います。日本の魅力を再確認することは、留学生活で得られる貴重な体験であり、そして今はそのような素晴らしい国の出身であることに誇りを持っています。