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【連載:留学体験談】アメリカ留学経験者が開発経済学を学びに本場イギリスへ!⑫終わったから分かる、留学で得られた成長とは?

Ishii Ryunosukeさん

2022年9月からイギリスのSOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)修士課程「MSc Development Economicsに留学中。

皆さん こんにちは。SOASで開発経済学を学んでいるIshiiです。

イギリスでの修士課程を終え帰国してから、あっという間に1ヵ月が経ちました。 思い返せば5月に最終試験を受け、9月に修士論文を提出するまで、ほとんど気を抜かずに走り抜けてきました。

最後の連載となる今回は、イギリスでの留学生活を振り返っていければと思います。

SOASが学問の幅を広げてくれた

1年間の留学を終えて感じていることは「SOASを選んでよかった」ということです。学期中にストライキやシステム障害があったりして、すべてが円滑に進んだわけではありませんが、同じ価値観や高い目標を持つ多くの教授やクラスメイトに出会い、たくさんの刺激を得ることができました。

イギリスの大学ではクラス内での発言を求められますが、クラスの人数も30人弱と程よく、 集中して授業を受けることができました。リベラルな校風を持つSOASでは、一つの課題に対して複数の視点を求められます。この校風が自身の学問の幅を広げることにも繋がったと感じています。課題に対する採点も厳しく、楽な大学生活ではありませんでしたが、1年間の充実した学業生活を送れたという意味では大変満足しています。

ロンドンは他の都市に比べると物価が高く、気軽に外食には行けませんでしたが、博物館や美術館にはアクセスがよく楽しむことができました。学業が忙しく他の都市に観光に行く時間がなかったのは少し残念ですが、それはまた次の機会に取っておきたいと思います。

留学で学んだ、タイムマネジメントと気候への順応の難しさ

留学を経験した方は口を揃えて「海外の修士課程は大変」とおっしゃいますが、自分も例に漏れず大変厳しかったと感じています。私の場合、“スピード感”と“気候”に慣れることが特に難しかったです。

<スピードが求められる>

イギリスの大学院では課題やリーディングなど、素早くこなしていくスキルがとても大切です。常にスピードを意識して勉強に励まなくてはいけなかったので、この点は個人的に負担になっていました。 「もう少しゆっくり読みたいな」と思うことや「追加で気になることを調べたいな」と思うこともありましたが、寄り道をしすぎると課題の提出期限に間に合わなかったり、グループに迷惑をかけたりするため、自分の気の済むまで調べる時間が取れなかったことは、少し後悔しています。

また、私の場合は就職活動も並行して行っていたので、進路のことも疎かにならないよう気を配っていました。

<気候になじむのに時間がかかる>

私が個人的に苦労したもう一つのポイントはイギリスの気候です。 私が留学した年は渡航してすぐに長い冬が始まり、散歩をして気晴らしをしたい気持ちと、寒くて外に出たくない気持ちが相反して、少しストレスになっていました。 ストレスを溜め込まないためにも、多少寒くてもイギリスの冬を楽しめるような工夫をもう少しできればよかったなと感じています。

一方で4月のイースターを終えて春と夏が来てからは、毎日散歩にいけるほどイギリスにも慣れていたのでそれはよかったと感じています。 留学の終盤には季節の感覚と生活のリズムがようやく整ってきたと感じていたので、帰国する時はもう一年留学生活を続けたいなと思っている自分がいました

厳しい留学だからこそ成長できた

厳しいことが多い留学でしたが、振り返ってみると、苦しさは良さの裏返しでもあったなと感じています。 留学期間の1年は信じられないくらいあっという間で、体感では3年くらい経っているような気がしています。その濃い1年では確実に、留学前と留学後の変化を感じられるようになりました

例えば、留学前は「慣れてからやろう」としていたところが「やりながら慣れよう」という考えに変わったため、何倍も多くのことを経験できました。慣れないことをこなしたため、トラブルも多かったですが、その度に色々なことを学べました。

時間を見つけて訪れた旅行先でも、移動や待ち時間は勉強に費やし、就職活動も朝早い時間や夜に行うことで大学生活に支障をきたさないよう工夫しました。毎日がとても濃密だったと今振り返って感じます。

1年の留学期間は慌ただしく、もう少し工夫できたかなと感じるところもありますが、個人的には得られたことの方が多く、有意義な1年にできたと感じています

読んでくださった皆さまへ

今、海外留学を考えている方は、環境が整っているのであれば挑戦して後悔することはないと思います。 私の周りにいた友人たちも、しっかりと努力をして修士論文を書き上げていましたが、進学したことを後悔している人は一人もいませんでした。

今、留学中の方たちは来年の同じ時期に、私と同じように成長と変化を実感されているはずです。勉強期間中の体感は長く厳しいものですが、終わってみるとあっという間だったと感じるので、簡単な道のりではないと思いますが、頑張ってください!

最後にこの1年間、連載にお付き合いいただいた方に感謝を申し上げたいと思います。 この連載が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

SOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)について

SOAS ロンドン大学東洋アフリカ学院(ロンドン大学)は、その名が示す通り、アジア・アフリカ分野を特化した高等研究機関で、多くの大学ランキングで世界トップ級の評価を得ています。教鞭を執る教師陣の多くは各分野を最先端で研究する専門家。キャンパスは大都市ロンドンの中心にあり、英国博物館も目と鼻の先というロケーション。学内の施設で特徴的なものは、なんといってもアジア・アフリカ研究で世界有数の図書館。蔵書数が150万冊を超え、専門学習には最適な環境が整っています。

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